【シリコンバレー=中西豊紀】米グーグル系の自動運転開発会社ウェイモは25日、米小売り最大手のウォルマートと提携したと発表した。利用者はウェイモの自動運転車に乗ってネットで注文した商品をウォルマートの最寄り店舗に取りに行くことができる。アマゾン・ドット・コムが小売りの支配力を強めるなか、対抗策としての「異業種提携」が相次いでいる。

 ウェイモが自動運転車による相乗りタクシーの実験を進めているアリゾナ州フェニックスで2社の提携サービスを始める。ウォルマートはユーザーがネットで注文した商品を実店舗でわたすサービスを展開中。ウェイモは店舗までのユーザーの行き来のために自動運転車を提供する。

 サービス利用の対象者は当面はフェニックスの都市部に住む400人程度だが、ウェイモは「ビジネスは全国規模で想定している」とコメント。運用状況を見ながら他の州にも広げていく可能性がある。提携を通じてウェイモは自動運転を使ったビジネスモデルの課題などを探るもようだ。

 一方のウォルマートは新たな技術を生かした小売りサービスの拡大を模索している。17日にはマイクロソフトと提携し同社のクラウドサービスを活用すると発表した。アマゾンへの対抗を進める結果、IT(情報技術)大手との提携が続いている。異業種による「対アマゾン連合」は今後も拡大しそうだ。
2018/7/26 2:15
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33423370W8A720C1000000/