川崎市とJR東日本横浜支社は17日、JR武蔵小杉駅の混雑緩和対策として、横須賀線の下りホームを新設し、新たな改札口も設置すると発表した。供用開始は、下りホームが2023年度を予定し、新改札口は新ホームの供用開始後を目指している。同駅周辺は相次ぐ高層マンション建設で人口が増加し、通勤時間帯の駅構内や周辺の混雑が深刻化している。

 発表によると、横須賀線のホームを2面2線化し、現在のホームは上り専用として、下りホームを新たに設ける。事業費はJR東日本が負担する。

 新改札口は、JR横須賀線とJR南武線の連絡通路付近に設置する。さらに、南武線北改札から新改札口につながる歩道(約550メートル)を整備し、これにより、乗り換えルートの分散化を図る。隣接する東急線・武蔵小杉駅からの乗り換え客の混雑解消にもつなげる。これらの事業費は市が負担する。

 武蔵小杉駅は、2010年3月にJR横須賀線が開業して利便性が高まり、高層マンション建設で住民が急増した。JR東日本によると、同駅の1日平均の乗車人数は、09年度が約7万6000人だったが、10年度は約9万9000人に増えた。17年度には約12万9000人に上っている。午前7時半〜8時半頃の混雑率は、JR横須賀線武蔵小杉―西大井駅(東京都品川区)で191%(16年度)になるなど、通勤・通学ラッシュも深刻化している。

 この日は、川崎市の福田紀彦市長とJR東日本横浜支社の広川隆支社長が記者会見した。混雑緩和に期待する一方、オフピーク通勤などソフト面と合わせて対策を進める方針も示した。福田市長は、自宅近くで業務ができるサテライトオフィスの取り組みなどが民間企業に広がっていることをあげ、「市としても幅広い働き方を呼びかけ、混雑緩和につなげたい」と述べた。
2018年07月18日 09時56分
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20180718-OYT1T50021.html