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2018年01月17日
梅澤 聡 : エディター(外部食研究家)

2010年前後、回転寿司は3強(あるいは御三家)の時代と言われていました。今はプレイヤーが1社増えて四天王の時代です。ここでいう3強とはスシロー、くら寿司、かっぱ寿司のこと。そこにゼンショーグループの「はま寿司」が加わりました。

一方で、業界1位のスシローと元気寿司(業界第5位)が経営統合に向けて動き出しています。このことで、回転寿司業界の寡占化がより鮮明になってきました。経営統合を主導した米卸の最大手「神明」は、元気寿司を傘下に置いていましたが、業界3位以内に入らないと淘汰されるといった危機感を抱いていたと言われています。

成長を続けていけるのか

回転寿司は成長を続けていくことができるのでしょうか? それが本稿のテーマです。

回転寿司の市場規模は約6000億円。四天王の売上高を合計すると約4500億円ですから4社で75%のシェアを確保しています。ちなみに居酒屋の市場規模は約5兆5000億円で、専業上位4社(モンテローザ、大庄、チムニー、ワタミ国内外食)の(店舗)売上高合計は約3200億円ですから、シェアは6%弱でしかありません。

居酒屋が店内環境、メニュー、価格、接客サービスなどに創意や工夫を取り入れて、差別化するのに対して、回転寿司は店舗開発力(投資力)や仕入れ・調達力が問われます。寡占化されやすい業態であり、プレイヤーは少数に限られてきます。同質化競争に陥っていくのです。効率を追求すると現在のビジネスモデルにいや応なく着地したのでしょう。

郊外立地を主力に駐車場70〜80台を用意し、客席数200席、客単価1000円、1日4〜5回転、基本1皿2貫100円(スシローの都心店は120円)、レーンは従前のセルフとタッチパネルの併用といったところが基本フォーマットです。

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