世界の労働人口に占める割合が増すミレニアル世代も年齢を重ねるに従い、定住すべき場所を探し始めている。
そうした中で明らかになってきたのが、彼らにとっては単に「郊外」であるというだけでは、長く暮らす場所としての条件を満たさないということだ。

先駆的といわれるミレニアル世代は、活気あるビジネスエコシステムとスマートなテクノロジー、生活費の安さ、生活の質の高さなど、さまざまなものを提供する都市を探し求めている。
さらに、ノマド志向の彼らは必ずしも、自国で暮らし続けることを望んでいない。世界のどこに最高の都市があるのかを見極めるため、広範囲に目を向けている。

世界各国での賃貸物件探しを支援する独ネストピック(Nestpick)は先ごろ、この世代が最も暮らしたいと思う都市のランキングを発表した。
雇用、起業に関する文化、生活費、ジェンダー平等、医療へのアクセス、公共交通機関など16項目について調査を実施。そのほか、ビールの値段や人口1人当たりのアップルストアの軒数など、いくつかの興味深い項目についても調べた。

米国は不人気?

その結果から明らかになった興味深い点は、上位25位までに入った米国の都市が一つもなかったことだ。
米国の都市でトップは41位のオースティン(テキサス州)。
インターネットの通信速度で高ポイントを獲得した。同2位はサンフランシスコ(カリフォルニア州)だった。全体のランキングでは45位。起業に関する調査で第一位となったことは、驚くに値しないだろう。同3位は全体で50位のデンバー(コロラド)州だった。

アジア最上位はバンコク

アジアでは唯一、タイの首都バンコクが50位までに入った(47位)。経済協力開発機構(OECD)の失業率に関するデータを基に調べた結果、バンコクは「雇用」の項目で全体の一位となった。

そのほか、世界観光機関(UNWTO)のデータに基づいて評価した「観光」の項目でも、高スコアを得た。観光業が盛んであることは経験の少ない労働者の就労機会が豊富であることを意味し、若い労働者にとっての就業国としての魅力が増すことになる。
移住を実現させるための第一歩となる点であり、ネストピックが重視している項目でもある。

以下、ランキングに入った都市のうち、トップ30を紹介する。

1. アムステルダム、オランダ
2. ベルリン、ドイツ
3. ミュンヘン、ドイツ
4. リスボン、ポルトガル
5. アントワープ、ベルギー
6. バルセロナ、スペイン
7. リヨン、フランス
8. ケルン、ドイツ
9. パリ、フランス
10. バンクーバー、カナダ
11. リール、フランス
12. チューリッヒ、スイス
13. バレンシア、スペイン
14. ハーグ、オランダ
15. モントリオール、カナダ
16. ロンドン、イギリス
17. ロッテルダム、オランダ、
18. ナント、フランス
19. プラハ、チェコ共和国
20. ヘルシンキ、フィンランド
21. マンチェスター、イギリス
22. ボルドー、フランス
23. オークランド、ニュージーランド
24. トロント、カナダ
25. ブリストル、イギリス
26. オスロ、ノルウェー
27. マルセイユ、フランス
28. マドリード、スペイン
29. ウィーン、オーストリア
30. グラスゴー、イギリス

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