【小川洋子】Panasonic Melodius Library【藤丸由華】
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TOKYO FMからJFN全国38局ネットで毎週日曜10:00〜10:30放送
提供:Panasonic
作家の小川洋子さんが、古今東西さまざまな文学作品を毎週紹介する番組です。
あなたも是非、一冊手に取ってみてください。
番組サイト
http://www.tfm.co.jp/ml/
パーソナリティ:小川洋子(代表作『博士の愛した数式』『妊娠カレンダー』)
アシスタント:藤丸由華(フリー・元TOKYO FMアナウンサー)
番組で紹介された作品のバックナンバーはこちら
ttp://www.tfm.co.jp/ml/backnumber/index2017.html
ttp://www.tfm.co.jp/ml/backnumber/index2016.html
ttp://www.tfm.co.jp/ml/backnumber/index2015.html
ttp://www.tfm.co.jp/ml/backnumber/index2014.html
ttp://www.tfm.co.jp/ml/backnumber/index2013.html
ttp://www.tfm.co.jp/ml/backnumber/index2012.html
ttp://www.tfm.co.jp/ml/backnumber/index2011.html
ttp://www.tfm.co.jp/ml/backnumber/index2010.html
ttp://www.tfm.co.jp/ml/backnumber/index2009.html
ttp://www.tfm.co.jp/ml/backnumber/index2008.html
ttp://www.tfm.co.jp/ml/backnumber/index2007.html デュマ・フィス『椿姫』
久しぶりの古典の紹介、タイトルくらいは知っていたが体験談を元にした身分(金銭感覚)が異なる男女の話だったのか
椿姫はオペラやバレエになっているが小川さんが椿姫のバレエを観覧していたと何か意外 赤塚不二夫自叙伝これでいいのだ
元祖天才バカボンのEDテーマ41歳の春だからは選曲しなかったな
作詞は赤塚不二夫だと思った。 2018年
7/22放送分
今週の一冊
デュマ・フィス『椿姫』(光文社古典新訳文庫)
Today's Music 音楽との融合
・乾杯の歌(第1幕)/プラシド・ドミンゴ(テノール)、コベントガーデン王立歌劇場管弦楽団
・舞踏への勧誘/ウエーバー作曲、 イリーナ・メジューエワ(ピアノ)
・さようなら、過ぎ去った日よ(第3幕)/マリア・カラス 小デュマも『モンテ・クリスト伯』や『ダルタニアン物語』を書いた文豪の父親に対して色々拗らせていたのかも
あと実体験に基づく作品という触れ込みだけど、墓掘りシーンが実体験だったらちょっと嫌だw 2018年
7/29放送分
今週の一冊
赤塚不二夫『これでいいのだ(赤塚不二夫自叙伝)』(文春文庫)
Today's Music 音楽との融合
・「天才バカボン」オープニングテーマ「おそ松くん」オープニングテーマ/オリジナルサウンドトラック
・映画『駅馬車』より「淋しいところに埋めないで」
・ケ・セラ・セラ/雪村いづみ 『天才バカボン』『おそ松くん』『モーレツあ太郎』『ひみつのアッコちゃん』
小川先生はこの中だとアッコちゃん派かも
おそ松さんについては言及しなかったけど、赤塚不二雄没後の続編なのでまあ直接関係はなかったか
あの赤塚不二雄でさえ地獄だったと言わざるを得なかった満州引揚げについては、
本土での戦災体験以上に後世へ語り継がれるべき内容だと思う 『わたしがちいさかったときに』
子供が綴った戦争体験談は切ないですね
特に胸に突き刺さった話は大火傷を負って目が見えなくなった少女が「私もうだめ、このお弁当をおばさんの子供に食べさせて」という話 番組HPによると今日の放送で小川さんは藤丸さんを見ると藤丸さんの子供を思い出して
作品の子供と重なって絶対に泣いてしまうので藤丸さんを見ないようにして話したとの事
戦争体験談を後世に語り継ぐのは大切な事ですが、その語り部は凄い労力を費やさなければならないのだと考えさせられました。 2018年
8/5放送分
今週の一冊
長田新・編 いわさきちひろ・画『わたしがちいさかったときに』(童心社)
Today's Music 音楽との融合
・ヒロシマという名の少年/武満徹作曲:福田進一、エドゥアルド・フェルナンデス(ギター)
・子供の夢/イザイ作曲、五嶋みどり(ヴァイオリン)
・死んだ女の子/元ちとせ 元になった文集『原爆の子〜広島の少年少女のうったえ』の構成はさすが教育学者長田新の面目躍如
被爆体験した歳をもとに一学年刻みで収録することで、何歳で被爆したらその後の暮らしや人格形成にどんな影響が出るのか、
教育に携わる専門家には分かるように編集されてる
そして編集した1951年というのが、小学校低学年が中学生に高学年が新制高校生になる歳というまた絶妙なタイミング
この時をもって編集刊行したのも、やっぱり長田新先生が優れた教育学者だからか 多分長田新先生自身が、この文集を出すことで救われたかったのかもしれないな
自身も被爆して九死に一生を得たら、そんな悲惨な体験を幼少で強いられた子供たちが
きちんと育ったのかどうか気になったに違いあるまい
その子たちは親を亡くしたり身近な人を亡くしたりその後困窮したりで確かに苦しんだけど、
死の間際にお弁当を見ず知らずのおばさんとその子に託した子供は、
人間は原爆に負けないという一つの救いになったのかもしれない
そういう人間の深い尊厳を見て育った子供は、きっと立派にその後の日本を生き抜いたはず >>165
なるほど、この文集において長田新の編集はいわさきちひろの絵と同様にとても重要な役割を果たしていたのですね 2018年
8/12放送分
今週の一冊
トーマス・マン『トニオ・クレーゲル』(新潮文庫)
Today's Music 音楽との融合
・オルフェウス・カドリーユ(作品236)/ヨハン・シュトラウス2世作曲、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ジュルジュ・プレートル(指揮)
・オディオン(ブラジル風タンゴ)/ナザレ作曲、ジョシュア・リフキン(ピアノ)
・ユア・ソング(僕の歌は君の歌)/エルトン・ジョン 三島由紀夫の作品や北杜夫のペンネームの由来、そして萩尾望都の『11月のギムナジウム』『トーマの心臓』のモチーフになった、
一言で言うと『永遠の厨二病患者にとっての聖典』
女の子向け厨二病バイブルがルーシー・M・モンゴメリの『赤毛のアン』なら、
この作品こそが男の子向け厨二病バイブルではなかろうか 序盤のボーイズラブのくだりで小川さんと藤丸さんのテンションが上がったのが面白かった。 小学生がえらぶ!こどもの本総選挙2018(ポプラ社)
1.ざんねんないきもの事典
2.あるかしら書店
3.りんごかもしれない
4.続・ざんねんないきもの事典
5.おしりたんてい(かいとうVSたんてい)
6.おしりたんてい(いせきからのSOS)
7.このあとどうしちゃおう
8.ぼくらの7日間戦争
9.ふしぎ駄菓子屋銭天堂
10.りゆうがあります 「ぼくらの7日間戦争」は中学1年生の夏休みの物語なので小学生が選ぶのは意外かなと思ったが
小学5,6年と中学1年の精神年齢(特に男子)はたいして変わらなかったかな
これが中学2年になると中2病という言葉も有るように変わってゆく
スタンド バイ ミーと同様に子供でいられる最後の時期の楽しそうな物語でした。 2018年
8/19放送分
今週の一冊
宗田理『ぼくらの七日間戦争』(角川つばさ文庫)
Today's Music 音楽との融合
・炎のファイター/アントニオ猪木とザ・ファイターズ
・フリーダム/アイズレー・ブラザーズ
・SEVEN DAYS WAR/TMネットワーク 猪木のテーマで吹いた
いや作中で流れるから番組のコンセプトには沿ってるんだけど、こんな曲流す番組だったっけw
それと小川先生が番組中で「ボーイズ大好き抱きしめたい」と暴走してたけど、
こういう人を母親に持った小川先生のご子息はそれなりに大変だったんだろうなと心のどこかで思った 官僚たちの夏
小川「この中には季節は夏だけでなく春秋冬も出てくるのですけど時代が夏
戦争で滅茶苦茶になった後に春を向かえて高度経済成長期にいよいよ夏」
なるほど 2018年
8/26放送分
今週の一冊
城山三郎『官僚たちの夏』(新潮文庫)
Today's Music 音楽との融合
・官僚的なソナチネ/サティ作曲、アルド・チッコリーニ(ピアノ)
・NICE WORK IF YOU CAN GET IT/フランク・シナトラ
・レッツ・ワーク/ミック・ジャガー 暑苦しく暑苦しく、とにかく暑苦しい回
風越の入浴シーンの暑苦しさに、ちょっと引き気味の小川先生藤丸さんでした
キャラと時代背景の暑苦しさを表現するなら、作中時間でおよそ10年が経過するとしても、
タイトルから『夏』の文字は外せまい 2018年
9/2放送分
今週の一冊
泉鏡花『天守物語』(岩波文庫)
Today's Music 音楽との融合
・とおりゃんせ/タンポポ児童合唱団
・サウザンド・イヤーズ 〜千年の恋〜/クリスティーナ・ペリー
・LICK IT UP/KISS 泉鏡花の生前に舞台化されなかった理由がなんとなくわかる作品
なんやねん終盤の展開w
そして最後の曲のタイトルwww マンゴー通り、ときどきさよなら
アメリカで暮らす貧しいメキシコ移民の物語、主人公が詩を書く事が好きな少女という事でアンネの日記を思い出した。
小川さんのツボかな
今回の選曲はメキシコ移民の音楽と文化に詳しい宮田信さんに協力してもらったの事
この番組の選曲スタッフもかなり音楽に詳しいと思うのだが知り合いかな? 2018年
9/2放送分
今週の一冊
サンドラ・シスネロス『マンゴー通り、ときどきさよなら』(白水Uブックス)
日本では一度絶版して、今年復刊した作品
Today's Music 音楽との融合
・Cuando Vuelva A Tu Lado(クアンド・ブエルバ・ア・トゥ・ラード)/Javiel Solis(ハビエル・ソリス)
・Ella(エジャ)/El Haru Kuroi(エル・ハル・クロイ)
・Before The Next Teardrop Falls(涙のしずく)/Freddy Fender(フレディ・フェンダー) 友達の一人のエピソードとして登場する、
親の暴力から逃れるために早婚して、今度は夫の暴力に苛まれる構図
昔日本のテレビドラマで見たかもしれないと思ったら連続テレビ小説『おしん』のそれに近いのだとわかった
社会的な立場がほとんど一緒なのに、日本人とメキシコ系アメリカ移民とじゃこんなにも雰囲気が異なるのか 大岡信『折々のうた春夏秋冬・秋』
2曲目のハイ ファイ セット燃える秋は場違いなシティポップと思ったが
作詞は五木寛之だったのか 2018年
9/16放送分
今週の一冊
若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』(河出書房新社)
Today's Music 音楽との融合
・MEMPHIS SOUL STEW(live)/King Curtis
・愛あればこそ/安奈淳
・WE ARE ALL ALONE/Rita Coolidge 仏壇ストリップワロタw
それはそれとして、この主人公のお婆さんは結婚前後の若い頃だったら歩く萌え要素の塊みたいな女性だったのではなかろうか
そういう一面も見てみたいけど、作者の書きたい女性像とは明らかに違う気がするので表に出て来る事はあるまい
まあその萌え要素が年老いて夫と死別したからこその
「おら愛に自分を売り渡さなければよかった」があるんだろう 2018年
9/23放送分
今週の一冊
大岡信『折々のうた 春夏秋冬・秋』(童話屋)
Today's Music 音楽との融合
・小さい秋みつけた/ダークダックス
・燃える秋/ハイ・ファイ・セット
・ドリーミング・オブ・ユー/セレーナ 秋の七草の名前を並べるだけで詩になる安直さがツボに来た
あれが現代詩に聞こえるというのは、ある意味で日本語の日本語たる根源を突いているのかも 伊曾保物語(江戸時代に出版されたイソップ物語の翻訳書)
アリとキリギリスは直訳ではアリとセミだったり
ヨーロッパでは知られていないカッパが登場したりと面白い発見がありました。 鞍馬天狗は幕末の時代の話で新撰組が登場する話とは知らなかった。
今日は珍しく物語の解説が長く作者の紹介はペンネームの由来しか話さなかった。 2018年
9/30放送分
今週の一冊
『万治絵入本 伊曾保物語』(岩波文庫)
Today's Music 音楽との融合
・イソップの饗宴(すべての短調による12の練習曲 ホ短調 作品39)/アルカン作曲、森下唯(ピアノ)
・ありの歌/やなわらばー
・BLOWING IN THE WIND 風に吹かれ続けている/中川五郎 この回の蟻と蝉の話がすごく短かった
日本語って昔の方が短文で情報量も多かったんだな 2018年
10/7放送分
今週の一冊
大佛次郎『鞍馬天狗』(小学館・鶴見俊輔セレクション1角兵衛獅子)
・角兵衛獅子の唄/美空ひばり
・マンブルース(『フリッツ・ザ・キャット』サウンドトラック)/カル・ジェイダー
・鞍馬天狗のうた/鳴海日出夫、ヒバリ児童合唱団 子供向けの平易な言葉遣いを徹底しておきながら、それでいて描写力が貧困どころか情景豊かな文章になっている所が凄まじい
親方のくだりは、現実にも存在する理不尽な大人の存在を子供に教えておきながら、その存在に拒絶感を抱かせる事なく素直に飲み込ませるような構成になってる
理想の大人像としての鞍馬天狗と近藤勇を描くことで、世の中が単純な勧善懲悪ではない事も子供たちはわかるかもしれない
教育上子供に読んでほしい本としては最上位クラスの作品かも 10/14放送分
今週の一冊
武田百合子『ことばの食卓』(ちくま文庫)
・キミのいない食卓/さかいゆう
・キャラメル/スザンヌ・ヴェガ
・お弁当箱/忌野清志郎 本来は食欲の秋というコンセプトで選んだはずなのに、
夫武田泰淳相手の指なめ描写とかロリコン性犯罪一歩手前の幼少時描写とか
やけに性的な描写が多くて引いたw
何か引っかかるものを覚えたので調べたら、
武田泰淳との結婚前の同棲時代に大変爛れた性生活を送っていたようで… 武田百合子は小川さんが好きな作家で番組では3回目の紹介
今回はエッセイ集まで取り上げたからもういいかな 聴取率週間に取り上げた本は「プー横丁にたった家」
人気童話をもってきたか 10/21放送分
今週の一冊
AAミルン『プー横丁にたった家』(岩波少年文庫)
・プー横丁の家/ロギンス&メッシーナ
・ジャスト・アズ・ザ・タイド・ワズ・ア・フローイング/シャーリー・コリンズ&アルビオン・カントリー・バンド
・ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー/ザ・ビートルズ 息子のクリストファー・ロビンがこの本を読んで笑ったのを見て、
息子の子供時代が終わったというエピソードが興味深かった
一人ひとりのキャラクターに感情移入するのではなく、全体を俯瞰的に見る視点を得て大人になっていくと
そして大人になったイギリス人はモンティ・パイソンの世界へと旅立って行くw
子供向け童話に含まれる痛烈な毒を幼児期思春期にたっぷりと摂取して 短編時代小説ランキング(宝島社)
国を蹴った男 伊東潤
赦免花は散った 笹沢左保
錯乱 池波正太郎
笊ノ目万兵衛門外へ 山田風太郎
直江山城守 坂口安吾 山田風太郎の笊ノ目万兵衛門外へは人質の代わりに差し出した息子を殺されたりとか
水戸黄門や大岡越前では考えられない不条理な展開に話は進んで読みごたえの有りそうな小説でしたね プレヴォ マノン??レスコー
この小説をもとにマノンという名前は魔性の女の代名詞となったそうな
その昔、烏丸せつこのマノンという映画もありました。 安部公房 箱男
箱は木箱かと思ったら段ボールで詳細な箱の作り方で小川さんは安部公房は自分で箱を制作したなと推測する
その後の箱の覗き穴から見える人の下半身特に女の足に興味をもつあたりで
安部公房は実際に上野駅あたりで箱の中に入って観察していたなと思った。
江戸川乱歩の人間椅子を彷彿させる変態度の高い小説でした。 箱男にお金を渡して病院に来るように勧める看護婦、病院に行って中庭から中を覗くと全裸の看護婦が・・・
この辺りは明らかに安部公房の願望ですな だいぶサボってしまったのでかなり古いアーカイブ
あと感想適当
10/28 正宗白鳥『リー兄さん』(講談社文芸文庫)
Today's Music
・ホーム・アゲイン/マイケル・キワヌーカ
・サンタ・ルチア/ナポリ・マンドリン・オーケストラ
・私の兄弟/サイモンとガーファンクル
老境に入ってから書いた作品というのが凄い 11/4 須賀敦子『コルシア書店の仲間たち』(文春文庫)
Today's Music
・ル・トレント/ダリダ
・忘れる木/波多野睦美、つのだたかし
・Paseo Pin(ピンの散歩)/笹久保伸
コルシア書店のオーナーの貴婦人が印象的
国の成り立ちより古い家柄の貴族ってイタリアに山ほどいそう
イタリア貴族で思い出したけど、スターウォーズのドゥークー伯爵を演じたクリストファー・リーの母親の実家がイタリアで貴族だったっけ 11/11 山田風太郎『笊ノ目万兵衛門外へ』(宝島社・時代小説傑作選)
Today's Music
・トラブル・マン/マーヴィン・ゲイ
・ルーザー/BECK
・愛と憎しみのバラッド/泉谷しげる
稲垣足穂・内田百間と並んで中島らものバイブルだったのが山田風太郎
昔インタビューやってなかったっけか
あとこの生真面目かつ破滅的な物語って奈須きのこあたりにも影響与えてそう 11/18 プレヴォ『マノン・レスコー』(光文社古典新訳文庫)
Today's Music
・何とすばらしい美人/ホセ・カレーラス(テノール)
・ひとり寂しくすてられて/アンジェラ・ゲオルギュー(ソプラノ)
数ヶ月前に紹介した小デュマ『椿姫』で、ヒロインが愛読していた遺品として登場した作品
番組で紹介された音楽は本数が少ないながらも一曲は長くていい感じ
物語としては前週とは別方向に破滅的だったのと、やっぱり小川先生は破滅的な物語があんまり好きじゃないなと感じた
それと恋愛にだらしないダメ男も嫌いなんだろう 11/25 放送分
今週の一冊
安部公房『箱男』(新潮文庫)
Today's Music
・アイ・アム・ア・カメラ/バグルス
・弦楽四重奏 第3番/バルトーク作曲、クロノス・カルテット
・はだかをみられた/ミスタンゲット 小川先生の趣味よりも作家性が全面に出た放送回
特に完成稿までに作品の10倍量のテキストを書いたというエピソードに対して、
小川先生が「天才でもそんな書くんだという事に作家として救われた」というコメントを残していたのが印象的だった
というかこの手の本って小川先生の好みからはかけ離れていそうなのに、
大学時代に買って読破してまだ本を持っているという導入部の紹介が意外だった 小川さんが大学生の頃は安部公房、中上健次、村上春樹などを読んでいないと友達の話についていけない雰囲気があったそうな
大江健三郎、村上龍は「など」扱いか 12/2 放送分
今週の一冊
久生十蘭『雲の小径』(ちくま文庫「名短篇、さらにあり」)
Today's Music
・飛行機/ビョーク
・聞かせてよ、愛の言葉を/ジュリエット・グレコ
・あなたが欲しいの/サティ作曲、ダンスリー(歌と演奏) 幻想ホラーっぽい描写と展開ながら、小川先生はこの作品を恋愛小説と評した模様
個人的には喜劇っぽいかなとは思ったけど
飛行機に乗る事そのものに孤独を感じた時代に誕生した小説 聴取率週間に選んだのは「ムーミン谷の冬」
ムーミンが冬眠する事、おしゃまさんの存在、そしてムーミンのアニメの主題歌の作詞は井上ひさしだったとは知らなかった。
何年か前にムーミンは核戦争後の世界の話でスナフキンは退役軍人とか言う都市伝説(後付けの作り話)が流れましたが
それはそれで良く出来た話だと思った。 12/9放送分
今週の一冊
『仮名手本忠臣蔵』 (松井今朝子訳 池澤夏樹=個人編集日本文学全集/河出書房新社)
Today's Music
・組曲『日本にて』より1曲目、「忠臣蔵」 / 小川典子(ピアノ)
・義太夫『仮名手本忠臣蔵』七段目「一力茶屋の段」 / 八世 竹本綱太夫 、七世竹本土佐太夫、三世豊竹つばめ大夫
・悪い星の下に / クリーム どんでん返しに次ぐどんでん返しだらけという展開は、
原作が4時間ほぼぶっ続けで見せられる芝居だという事を考えたら納得は行った
それと人妻に横恋慕する高師直の悪口雑言の所で
「いるのよねえこういう人」と吐く小川先生の言い方が印象に残った 12/9放送分
今週の一冊
トーベ・ヤンソン『ムーミン谷の冬』(講談社文庫)
Today's Music
・『樹の組曲』より「樅の木」 / シベリウス作曲、マリタ・ヴィータサロ(ピアノ)
・トゥティッキーの冬の歌 / ヨハンナ・グルスネル(歌)
・ムーミンのうた/藤田淑子 あのナポレオンを退けたおそロシアですら怯む凶暴なフィンランドの冬
そりゃムーミンでも冬眠でもしなきゃやってられないわな
リスが凍死する場面をこんなにも美しく描写した作品って他にないんじゃないだろうか
おしゃまさんをトゥティッキーと呼ぶのは、途中で流れた曲のタイトルで初めて知った 12/23放送分
今週の一冊
アンデルセン『モミの木』(岩波少年文庫)
Today's Music
・若葉のころ / ビージーズ
・最初の喪失 / メンデルスゾーン作曲、ゲーテ詩、バーバラ・ボニー(ソプラノ)
・ウィンターナイト / エンヤ 児童文学扱いされてる割に、登場するガキに可愛げもなければ感情移入もできない
おまけにもみの木が一時の栄華と引き換えに、自分が子供の頃に持っていた
幸せな境遇をどんどん失って行くという大変苦い作品
こんな文章をもし純真無垢な子供に読ませようとして書いたのであれば、
アンデルセンはどこまで屈折した心理の持ち主だったのだろう…
次回は年末恒例マイベストブック 2018年マイ・ベスト・ブック
小川さんが選んだ3冊は正宗白鳥「リー兄さん」武田百合子「ことばの食卓」東山彰良「僕が殺した人と僕を殺した人」
藤丸さんが選んだ3冊は吉野源三郎「君たちはどう生きるか」かこさとし「だるまちゃんとてんぐちゃん」城山三郎「官僚たちの夏」
私が番組を聞いて面白そうだから購入した本は石牟礼道子「水はみどろの宮」山田風太郎「笊ノ目万兵衛門外へ」(短編集) やべー時間がない今年の放送回は今年の内に
12/30放送分
2018年マイ・ベスト・ブック
正宗白鳥『リー兄さん』(講談社文芸文庫)
他
小川洋子選:東山彰良『僕が殺した人と僕を殺した人』、武田百合子『ことばの食卓』
藤丸由華選:
マイ・ベスト・ブック-吉野源三郎『君たちはどう生きるか』
城山三郎『官僚たちの夏』、かこさとし『だるまちゃんとてんぐちゃん』
Today's Music
・キミのいない食卓 / さかいゆう ( 10/14放送、武田百合子『ことばの食卓』 )
・FRIEND FOR LIFE / Elsi Alvizu ( 4/22放送、吉野源三郎『君たちはどう生きるか』)
・THRILLER / Michael Jackson ( 6/24放送、東山彰良『僕が殺した人と僕を殺した人』) なお川端康成『みずうみ』(4/15放送)も小川先生のマイベストブック候補
ただし川端康成が複数回選ばれるのは問題なので殿堂入り
個人的に気になった小説は沼田真佑『影裏』(3/11放送)
震災小説と見せかけて実は…
あと武田百合子『ことばの食卓』も食べ物に関するエッセイと見せかけて実は…
という風に裏テーマが美味しそう 明けましておめでとうございます
番組は12年目になりましたが今日紹介したサリンジャーは3回か4回目の紹介ではないかな
確かライ麦畑でつかまえてを紹介した時は小川さんがファンでもある佐野元春をゲストに迎えて放送したと思った。 神谷美恵子「生きがいについて」
五木寛之の生きるヒントよりも踏み込んだ話で
生きがいと時間には濃密な関係性があるなど興味深い話が聞けました。
選曲では由紀さおりの「生きがい」を期待しましたがラブソングだから外されたかな 学問のすすめ
藤丸さんが風邪をひいたのか鼻声でした。番組が4本撮りだとしたら今月はずっと鼻声だろうか
ビートたけしのドラマ学問ノススメの主題歌を選曲から外したのは残念 手塚治虫 ガラスの地球を救え〜二十一世紀の君たちへ
手塚治虫のアニメでは子供向けに善は悪に勝つとか分かりやすい作りだったが
マンガを読むと少年漫画でも時々不条理な終わり方をして考えさせられる事があったな
そして藤丸さんは今日も鼻声でした。 ジョン・スタインベック 怒りの葡萄 前編
タイトルくらいは聞いた事はあるが一生読まないであろう長編名作をあらすじだけでも紹介してもらえるのは有難い
藤丸さんは今日も鼻声 後編終わり
…結局トム自身がかなり問題の多い性格なのでは? 怒りの葡萄 後編
前編後編とあらすじを聞いて良く似たシチュエーションの映画山田洋次監督の「家族」を思い出した。
少し調べてみるとやはり怒りの葡萄がアイデア元との事
そして藤丸さんはまだ鼻声でした。 ロスタン「シラノ ド ベルジュラック」
去年だったかE テレでこの舞台が放映されてその時のシラノ役は吉田銅太郎が付け鼻をして演じていた。
好きな女性の幸せを影ながら見まもる男の一生の話と言う事で「無法松の一生」を思い出したな 藤丸さんの鼻声は治っていました。
と言う事は番組は月一収録で4本か5本録りかな シラノのヒロインの名前はロクサーヌ、ポリスでロクサーヌと言う曲があったのを思い出してwikiで調べると
ポリスのリードシンガー、スティングは、1977年11月にフランスのパリにあるナッシュヴィル・クラブでの演奏時に見かけた娼婦に刺激されてこの曲を作曲した。
曲の題名はホテルのロビーに掛かっていた古いポスターに載っていた『シラノ・ド・ベルジュラック』の登場人物名から取られている
との事、今日はロクサーヌを選曲に入れてもよかったな この番組はアーカイブ放送を配信したり福島の図書館にメロディアライブラリーの企画コーナーを作ったりと
意外と人気があるのかな、それともスポンサーのパナソニックが推しているのか 「オズの魔法使い」
言わずと知れた児童文学の名作中の名作、英の不思議な国のアリス・米のオズの魔法使いと言ったところか
さて何故今日紹介したのだろう?作者の誕生日と命日そして本の発行日は調べてみたら全て5月
今日は聴取率週間でもないようなので謎です 3/31
今週の一冊
ボーム『オズの魔法使い』(新潮文庫)
・オーヴァー・ザ・レインボウ / ジュディ・ガーランド TODAY'S MUSIC
・オーヴァー・ザ・レインボウ / ジュディ・ガーランド
・ディンドン!魔女は死んだ! / バーブラ・ストライザンドwith ハロルド・アレン
・ビリーブ・イン・ユアセルフ / レナ・ホーン 話の導入が今年のプリキュアの一話っぽいと思った
犬を追って竜巻に吹き飛ばされた主人公の女の子が恐ろしく肝の座ってる所とか
あとどんな結末だったか正直忘れてた 2019年04月07日
今週の一冊
檀一雄 『花筐』(光文社文庫)
Today's Music
・『抒情小曲集』より「憂うつなワルツ」/グリーグ(作曲)、エヴァ・ポブウォツカ(ピアノ)
・メメント・モリ/アンドロップ&Aimer
・ヤング・アンド・フーリッシュ/トニー・ベネット、ビル・エヴァンス(ピアノ) 裸で泳ぐ少年の姿に三島由紀夫の性癖の原点を見た小川先生と藤丸さん
なお俺は煮えたぎる湯の中の金貨を掴む場面で、
ドラゴンクエスト〜ダイの大冒険〜の序盤にあったフレイザードのメダルのエピソードを思い出した
今思うと三条先生は花筐も漫画原作に取り入れていたのかもしれない 帰ってきたメアリーポピンズ トラヴァース
最近はメリーと表記しないのか、そしてメリーポピンズの続編があった事は映画化されるまで知らなかった。
昔メリーポピンズの映画を見た時にはドラえもんの元ネタ満載で驚いた。
煙突掃除の歌チムチムチェリーは哀愁漂うメロディーで好きな曲だが今日はかからなかったなリターンズでは使われていないのだろうか 4/14今週の一冊
川端康成『山の音』(新潮文庫)
Today's Music
・あなたを夢見て/ダン・ハートマン
・『レ・シルフィード』から「華麗なる大円舞曲」/フィラデルフィア管弦楽団、ユージン・オーマンディ(指揮)
・郷愁/斉藤和義
息子の嫁の菊子は20歳前後ってやっぱり川端はロリコンだった
性癖的に小川先生の嫌いなタイプだろう
ロリコンが鼻につくフィリップ・K・ディック回がおそらく番組史上最低レベルの回だったし
だがそういう人にも読ませる川端の筆力ってやっぱりノーベル賞に値するんだろう 4/21
本日の一冊
トラヴァース『帰ってきたメアリー・ポピンズ』
(岩波少年文庫)
・ひっくりカメ/トプシー(島田歌穂)
・本は表紙じゃわからない/メリー・ポピンズ(平原綾香)、ジャック(岸祐二)
・The Place Where Lost Things Go/Amily Brant ポピンズがナルシストであると看破した小川先生が鋭い回だった
勝手なイメージだけどイギリス人はみんなポピンズみたいな性格を持っているのかもしれない 内田百聞 件(くだん)
件(くだん)とは半人半牛の日本各地で知られている妖怪との事
似た話で思い出したのはやはりカフカの変身、そして小松左京のくだんのはは 藤丸由華さんが2回目の産休と言う事で来月から前回の代行と同様に小山ジャネット愛子さんがアシスタント
やはり番組は月一収録かな、前回の藤丸さんの産休は2か月だったが今回はどうだろう 源氏鶏太 青空娘
タイトルとストーリーはNHK 朝ドラみたいでした
この前NHK 第1(R1)の日曜名作座でも源氏鶏太の短編をいくつか取り上げていたが最近再評価されているのかな
選曲は1曲目のマリーザ・モンチ 空(オ・セウ)が素敵な曲でした。
ブラジルの曲でボサノバではないポップスを取り上げるとは、こちらの選曲スタッフの守備範囲の広さに脱帽 カフカ 断食芸人
修行僧が断食をして悟りを得ると言った話では無いな、なんだろう?
断食芸人のモチベーションとは裏腹に世間の興味は薄れていくあたりはリアルで面白かった。 向田邦子 父の詫び状
来週は父の日なので選んだとの事、来週は聴取率週間でドリトル先生を取り上げたいので今週に前倒しされたか
向田邦子の作品は好きで本も何冊か読んだのだが父の詫び状は未読
しかし何故かストーリーは知っていた、テレビドラマを見た記憶も無い、おそらく何かのラジオ番組で紹介されたのを聞いたのだと思う
タイトルの「父の詫び状」の原因、お客さんが酔ってゲロを玄関に吐いて母親が拭き掃除をして邦子もそれを手伝った描写を省いたのは説明不足かな 石坂洋次郎 青い山脈
吉永小百合が主演の映画では撮影当時(昭和38年)の時代設定だったので原作が昭和22年とは知らなかった。
小川さんと小山さんの会話を聞くと小山さんも産休の藤丸さんと同様に課題の本はしっかり読んできている事が分かりますね >>254
一応粗相とは言ってた
言いたい事はわかるけど日曜の朝からゲロというのは、ねえ… ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています