2019年5月28日 7時0分 WIRED.jp


「根絶目前のポリオ、WHOが警戒する「ラボからの漏洩」」の写真・リンク付きの記事はこちら
https://wired.jp/2019/05/28/polio-is-nearly-wiped-out/


英国のバーミンガム大学で1978年、医療用写真を現像する仕事をしていたジャネット・パーカーは、もはや存在しないはずの病気にかかった。最初はインフルエンザかと思われたが、症状は悪化の一途をたどり、発疹まで出てきたので彼女は病院に駆け込んだ。医師たちは信じられない思いだったが、彼女が天然痘であると診断した。

『ニューヨーク・タイムズ』紙の記事によると、77年のソマリア人青年を最後に自然感染の天然痘患者は報告されておらず、世界保健機関(WHO)は「天然痘はおそらく根絶された」と発表していた。

実際、そうなるはずだった。しかし、パーカーが使っていた暗室の下には、バーミンガム大学微生物学研究室のラボがあり、そこでひとりの研究者がウイルス研究を急いでとりまとめていた。根絶目前のこの病気を研究する多くの施設を、当局が閉鎖しようとしていたからだ。この研究者は安全基準に従っていなかった。そしてウイルスは通気口から漏れ、天然痘に感染したパーカーは亡くなった。



「あと一歩」まで来たポリオの根絶

天然痘は歴史上で唯一、人類が根絶に成功した病気だ。しかし、この一件からわかるように、「根絶」とは辞書の定義から想像されるほど単純なことではない。ワクチンの接種には、多国間の協力、莫大な資金、強い意思が必要であり、対立や文化的な壁、地理的障壁を克服しなければならない。

そして最後に、この世に存在するすべてのウイルスサンプルを発見して封じ込めるという難問が待ち受けている。78年のケースは、この最終局面での失敗だった。

現在、ほぼ過去のものになったもうひとつの疾病、ポリオについて、関係者たちがこうした問題解決に取り組んでいる。2019年現在のポリオ感染の症例は6件あり、すべてアフガニスタンとパキスタンで発生した。世界に残るポリオの非清浄国は、両国を含め3カ国だけだ。1988年には35万人の感染者がいたことを考えれば、大きな進歩と言える。

WHOは88年、子どもたちに深刻な危険をもたらすポリオを2000年までに地球上から根絶すると宣言した。全世界で展開された根絶キャンペーンは、目標達成まで一歩のところまで来た。しかし、「ほんの数例」と「完全なゼロ」との間には、ややこしい科学的な問題が立ちはだかっている。



誰も知らずにウイルスが存在するリスク
     ===== 後略 =====
全文は下記URLで
http://news.livedoor.com/article/detail/16527142/