by ドクター徳田安春『ドクター徳田安春の最新健康医学』
17時間前

ハーバード大学が最近、「砂糖入り飲料水」の摂りすぎにより早死にするという研究結果を発表したそうです。メルマガ『ドクター徳田安春の最新健康医学』の著者で現役医師の徳田先生は、沖縄の自動販売機は米軍の影響で砂糖入り飲料の割合が多いと指摘。かつて沖縄が世界一の長寿地域だったのは、その手の飲料を飲む習慣がなかった高齢者が長寿だったからと分析し、伝統的で健康的な飲料への回帰を勧めています。




健康的な飲み物とは? 砂糖入り飲み物に注意

砂糖入り飲料水を多く飲むと早死にする。10万人以上の人々を約30年間追跡したハーバード大学によるこんな研究結果が最近出ました。砂糖入り飲料水とは、コーラ、ソーダフルーツジュース、砂糖入り缶コーヒー、砂糖入り缶紅茶、エナジードリンク、などです。また、砂糖の代わりによく用いられる、人工甘味料の入った飲み物もあまり良くないことも判明しました。

これらの砂糖入り飲料水を普段から飲んでいると、肥満、糖尿病、動脈硬化症をきたしやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞にかかって死亡するリスクが高まるのです。また、がんにかかるリスクも高まり、がんによる死亡率も上がります。

ショ糖や果糖などの砂糖を水分に溶かした飲料水を飲むと、急速に腸から吸収されるために門脈を通して直接肝細胞に取り込まれてしまいます。これは肝細胞にダメージを与えて脂肪肝になります。また、膵臓からのインスリン分泌を促し、全身の脂肪細胞を成長させます。



自動販売機からわかる病気の分布

日本列島には隅々まで飲み物の自動販売機が設置されています。これは世界的にも有名な現象で、日本人がいかに飲み物が大好きか、を表しています。日本人は喉が渇くと、自動販売機からコインで飲み物を買い、すぐ飲みます。ときにはそのため日本列島でペットボトルが散乱し、プラスチックゴミによる海洋汚染などが深刻になっています。

日本列島では、飲み物の自動販売機が確かに隅々まで設置されていますが、地域で売られている飲み物の種類には若干違いがあります。私の地元の沖縄では、自動販売機でコーラやソーダがよく売られています。コカコーラやペプシコーラ、セブンアップなどです。これらの商品は、本土の自動販売機では稀にしかみかけません。第二次世界大戦での沖縄戦から沖縄に駐留している米軍が地元の人々に広めました。

常夏の島沖縄では、直ぐに喉が渇きます。沖縄の人たちは、子供の頃からコーラやソーダを毎日飲むようになりました。子供の頃の習慣はストロングです。大人になってもコーラやソーダを飲む人たちがとても多いです。砂糖入り飲料水を習慣的に飲むことで、肥満や糖尿病の人が爆発的に増えています。まさにアメリカ本土と同じような光景となっています。

沖縄の長寿を支えていた習慣



私はさんぴん茶

砂糖入り飲料水を多く飲むと早死にする。そのことがわかった私たちがとるべき行動は何でしょうか。それは、喉が乾いたら水またはお茶を飲むことです。水がオススメなのですが、どうしても爽やかな飲みごたえを味わいたいのであれば冷たいお茶が良いと思います。

私自身は喉が乾いたらさんぴん茶を飲むようにしています。伝統的な沖縄のお茶です。冷たいさんぴん茶は沖縄の暖かく湿った気候にマッチしています。ゴクゴクと楽しく飲んでいます。また、チャンプルー料理などの食事にもサンピン茶はとても合います。夏に本土を移動中に喉が乾いたらさんぴん茶を探しますが、ほとんど売られてませんのでとても残念です。

昔、沖縄は世界一の長寿地域でした。昔といっても約30年前ですので、それほど遠い昔ではありません。私が分析した結果によると、沖縄では戦前生まれの人たちが長生きしていました。砂糖入り飲み物を飲む習慣がなかった世代です。今こそ沖縄は伝統的習慣に戻るべきと思います。まずはさんぴん茶を飲んでからですね。

文献 ● Vasanti S. Malik, Yanping Li, An Pan, Lawrence De Koning, Eva Schernhammer, Walter C. Willett, and Frank B. Hu. “Long-Term Consumption of Sugar-Sweetened and Artificially Sweetened Beverages and Risk of Mortality in US Adults,” Circulation, March 18, 2019.doi: 10.1161/CIRCULATIONAHA.118.037401

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