フジテレビ「タイキョの瞬間」に批判殺到 入管行政の「闇」には触れず
入管の収容施設では、自殺者も出ているが…

2018/10/07 3:30:15 GMT
籏智 広太 BuzzFeed News Reporter, Japan



フジテレビが10月6日夜に放送した番組『タイキョの瞬間!密着24時』がTwitter上などで批判を集めている。


(写真)
「タイキョの瞬間」は「強制退去を捉えた緊迫のリアルドキュメント」(フジテレビホームページより)。

人気番組「警察24時」と同じように、外国人の強制退去を担う入国警備官に「密着取材」(同)した番組だ。
「不法滞在者や、不法占拠など、違法行為や迷惑行為を許さないプロフェッショナルたちの姿」を描く、などとしている。


なぜ、この番組が批判を集めているのだろうか。

「入管のPR番組」「人権侵害を隠蔽する番組」「番組の内容を鵜呑みにしちゃだめ」などという批判の多くは、入国管理局に収容されている人たちの支援者や、識者から上がっている。
入管行政においては、刑事手続を経ないままの長期収容や、自殺者が出るような収容環境の劣悪さなどが、問題視されているからだ。
番組に対する抗議のスタンディングをしようという呼びかけも広がっている。


法務省入国管理局によると、2009年以降に収容中に死亡した人は13人。うち自殺者は5人いる。

いつ強制送還されるかというストレスと、収容そのものに耐えきれず、自殺をはかってしまう人も後を立たないのだ。
番組では収容者がある程度の「自由」を約束されていることなどを紹介されていたが、実際はほとんどの自由を奪われている。
「仮放免」などの手続きを取らない限り、外に出ることはできない。連絡手段は公衆電話と、1回30分間の面会のみだ。適切な医療を受けられなかったり、大部屋でプライバシーが奪われたりすることも少なくない。
さらに、職員が「懲罰房」と呼ぶ「保護室」があり、規則違反などがあると数日間その部屋に入れられるケースもある。この際、複数の職員から「制圧」を受けて骨折したとして、大阪入管収容のトルコ人男性が裁判を起こしている。


さらに、施設への収容が半年を超える長期収容者も増加傾向にある。

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