2018年8月23日12時52分
 テレビ時代劇「必殺シリーズ」の姑(しゅうとめ)役など、味のあるわき役として人気を集めた俳優の菅井きん(すがい・きん、本名佐藤キミ子)さんが10日、心不全で亡くなった。92歳だった。通夜、葬儀は近親者で行った。喪主は娘婿の三上登さん。

 1926年、東京生まれ。戦前は文部省や東京帝大の職員を勤めていた。戦後、東京芸術劇場の「人形の家」を見て主人公ノラの生き方に感動し、46年に同劇団研究所に入った。その後俳優座に移り、黒澤明監督の「生きる」など映画でも活躍。30代のころからもっぱら老け役、わき役として持ち味を発揮した。

 73年からテレビ時代劇「必殺シリーズ」(朝日放送)で藤田まことふんする婿・中村主水の姑役を20年間演じ、「婿どのっ」のせりふで主水に詰め寄るコミカルな婿いびりの演技で人気を集めた。

 85年には映画化された「必殺」と、故伊丹十三監督の「お葬式」の2作品で日本アカデミー賞助演女優賞を受賞。90年に紫綬褒章、96年に勲四等宝冠章を受けた。2010年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」が最後のドラマ出演となった。

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