2018年8月21日 17時43分
高級魚として知られ体内に毒があるフグの調理について、料理店や卸売業者などの団体が21日、都道府県ではなく、国が一括して資格を与えるよう求めることを決議しました。
温暖化のためフグの生息域が北上し、これまであまり食べられなかった地域でも食材として使われるようになったことなどが原因で、団体は22日、厚生労働省に要望することにしています。
高級魚として知られるフグは、かつては九州や中国地方での漁獲が多く、主に西日本を中心に消費されてきましたが、温暖化により生息域が北上し、
東北地方や北海道など、これまであまり食べられず調理できる人が少なかった地域でも、食材として使われるようになりました。

また、生息域が変わることで違う種類のフグどうしの交配も進み、取り除くべき毒のありかや強さがわかりにくくもなっているということです。

このため、フグの料理店で作る団体や卸売業者の団体などが21日、東京 築地で会合を開き、現在、都道府県によって与えられ、場所によって厳格さが大きく異なる調理の資格を、安全のため国が一括して与えるよう変更を求める決議をしました。

決議では、フグの種類の鑑別方法をより厳しくし、それぞれのフグの生息状況などの情報共有を、国が強化することも求めています。

これらの団体は22日午後、厚生労働省を訪れ、要望書を手渡すことにしています。

要望を行う「ふぐサミット2018」の代表を務める亀井一洋さんは「フグの産地や生態がめまぐるしく変わる中、事故を防ぐため早急な対策が必要だ」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180821/k10011584691000.html