古代の歯石から判明、聖書に登場するペリシテ人の食事はアジアン
3000年以上前の古代人の遺体から、大豆やターメリックなどアジアの食材

 新約聖書にある東方の三賢者の物語は、古代の中東において長距離貿易が盛んだったことを示している。
 このことは学者の間でも定説となっており、ローマ時代には、アラビア海やそれよりも東の地域から、めずらしい油や樹脂が地中海一帯に持ち込まれていた。

 そして今回、学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に掲載された新たな研究で、現在のイスラエルがある土地に住んでいた人々は、アジア産の果物やスパイスを3500年も前から口にしていたことがわかった。

 研究では、青銅器時代中期から鉄器時代初期(紀元前1500年〜1100年頃)の遺体十数体から、化石化した歯垢を採取。
 分析の結果、バナナ、ターメリック、大豆の痕跡が見つかった。
 当時こうした作物はどれも、はるか遠くの南アジアで採れるものだった。

 既に古代の地中海文明では、ニワトリ、黒コショウ、バニラなど実に様々な食材が、はるか遠くのインドやインドネシアから輸入されていたことがわかっている。
 今回の発見は、こうしたことをさらに裏付けるものだ。

 「私たちは、古代の人たちが地元で食物を調達し、宝石などの特別な品を遠い土地から輸入していたと考えがちです」。
 今回の論文の共著者で、ドイツ、ルートヴィヒマクシミリアン大学ミュンヘンの考古学者フィリップ・シュトックハマー氏は続ける。
 「ところが青銅器時代でさえ、彼らは現代人と同じように、世界各地から食物を輸入していたのです」

(以下略、続きはソースでご確認下さい)

ナショジオ 2020.12.25
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/122300757/