0001しじみ ◆fbtBqopam767 しじみ ★
2020/05/09(土) 16:18:52.98ID:CAP_USERコモリグモは、世界各地に分布しており、地上を歩き回ってエサを取る徘徊性のクモです。
母親が卵や子どもを献身的に守ることから、「コモリ」という名前がつけられました。
ところが、現在、コモリグモの中でカニバリズム(同種食い)が激化し始めているのです。
しかも、メス親が、子どもや若い世代をターゲットにしているのだとか。
子ども想いのメス親に何が起きているのでしょうか。
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■カニバル化は温暖化が原因?
コモリグモのカニバル化は、セントルイス・ワシントン大学による、アメリカ最北端のアラスカ調査で明らかになりました。
研究主任のアマンダ・コルツ氏は「この変化には、アラスカの温暖化が関係している」と指摘します。
近年、アラスカでは、急速な温暖化が進んでおり、野生生物の数や生態に多大な悪影響を与えています。コモリグモも例外ではありませんでした。
アラスカの2地域に生息するコモリグモを調べてみると、メスのサイズが通常より大きくなり始めていたのです。
クモのように体温を外部に合わせて調節する生き物は、温暖化による変化を被りやすい位置にいます。そして今、夏の期間が長くなりつつあるアラスカで、その影響がコモリグモの体に表れ始めたと言えるでしょう。
コルツ氏によると、メスのコモリグモは、体が大きくなるほど繁殖能力が高くなり、より多くの子孫を残します。
しかし、子孫繁栄がそのまま、種の繁栄に繋がるとは限りません。アラスカでは、コモリグモにとっての資源やスペースが限られています。
つまり、食料とスペースの確保として、同種間の争いが生じるのです。
■同種を食べるクモは早死にする?
これは、実験でも証明されています。
研究チームは、アラスカと同じ生息環境を準備し(メソコスムという実験方法)、その密閉された空間の中で、採取したコモリグモを放しました。
この際、コモリグモの数を増やし、高密度の環境下にさらすことで、食生活や数にどのような変化が起きるかを調べています。実験は、「大きなメスがいる空間」と「通常のメスがいる空間」が準備されました。
その結果、前者の方で、メス親の捕食により、幼生の数が減っていることが判明したのです。
非情な行動にも思えますが、この行動は、種全体の存続のために、仕方なく個体数を調整する手段なのかもしれません。
しかし、コルツ氏は「長い目で見ると、カニバリズムは、種の生存に不利かもしれない」と指摘します。
というのも、研究では、同種の食べるコモリグモは、虫など普通のエサを食べる個体に比べて、早死にすることが分かっているのです。
コモリグモたちがそれを理解しているわけもなく、温暖化が続けば、さらにカニバリズムを激化させる危険性があります。
子ども想いのコモリグモも、このままでは「コグイグモ」に改名されてしまうかもしれません。
https://nazology.net/archives/59271