中国を中心に感染者が急増し、日本でも11人の感染者が報告された新型コロナウイルス。人から人へ感染することもわかり、不安を抱く人が増えていますが、実際のところどれぐらい警戒したらいいものなのでしょうか?

2020/01/30 15:16

Naoko Iwanaga
岩永直子 BuzzFeed News Editor, Japan

中国を中心に感染者が急増し、日本でも30日午前現在で、無症状2人も含むと11人の感染者が確認された新型コロナウイルス。




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Naoko iwanaga / BuzzFeed
国際的な感染症対策にも詳しい岡部信彦さん



人から人へと感染することもわかり、不安を抱く人が増えていますが、実際のところ、どれぐらい警戒すべき感染症なのでしょうか?

感染症のスペシャリストで、2009年の新型インフルエンザ発生時には国の対策を検討する委員会の副委員長も務めた川崎市健康安全研究所所長の岡部信彦さんに、お話を伺いました。

※インタビューは1月29日夜に行われ、話した内容はその時点の情報に基づいています。





新型コロナウイルス  どれぐらい大変?

ーーそもそもコロナウイルスというのはどんなウイルスなのでしょう?

人に感染するコロナウイルスはこれまで6種類あることが知られていて、そのうち4つは軽い鼻風邪の原因となります。風邪の10〜15%はこのコロナウイルス が原因とされています。

あとの2つが2002年から03年にかけて中国・広東省から発生して流行がアジアを中心にして世界に拡大した「SARS(重症急性呼吸器症候群)」と2012年以降中東を中心に流行が続いている「MERS(中東呼吸器症候群)」 です。

この2つと常に比較されて、今回の新型コロナウイルスも恐れられていますね。

ーー感染の広がりの速さや重症度、致死率などを考えると、SARSやMERSなど過去の新興感染症と比べて、今回のコロナウイルスはどれほど警戒すべきものなのでしょうか?

最近、人類が経験した新興感染症で言えば、新型インフルエンザ・パンデミック(世界的な大流行)は最初にメキシコの一地方都市で重症患者が見つかって大騒ぎになり、ほどなくアメリカでも重症患者が見つかりました。それが2009年の4月下旬頃です。

日本で患者が確認されたのは5月の連休明けで、その後、あっという間に世界各地で患者発生が確認されるようになりました。

それに比べると、今回はまだ1ヶ月しか経っていませんが、患者の発生は海外では少ない。まだ、そんなに感染のスピード感はない印象です。

しかし、人から人への感染を繰り返すうちに、ウイルスが人に感染しやすい形に変異する可能性はあります。そうなった場合、一気に感染が広がる可能性も考えておかなければならないでしょう。

2009年の新型インフルエンザの場合は、ウイルスの検査ができるようになると、実は感染者が多くいても軽症で自然に治っている人も多いことがわかりました。つまり、「感染しやすい=重症になりやすい」ではないのです。

新型コロナウイルスは、感染者が急増して死者も増えているのは確かですが、感染者の中での亡くなられた方は何人なのかを把握し、その割合(致死率)などを考えることがとても重要です。

致死率は現段階で、2〜3%です。まだわかったばかりのウイルスで、軽い人も全て把握することはできませんから、重症度についてはもう少し疫学調査が進むのを待たなくてはいけません。




人の動きも変化 様々な要素が感染症のリスクを左右
     ===== 後略 =====
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