11/2(土) 11:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191031-00000552-san-sctch

硫化鉄を含むうろこ(下部)を持つ巻き貝「スケーリーフット」(海洋研究開発機構提供)
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硫化鉄を含む黒いうろこでよろいのように体を覆っている「スケーリーフット」という巻き貝は、体内の細菌を利用して硫化鉄を作っていることを、海洋研究開発機構や東京大などの研究チームが突き止めた。

 この巻き貝は、インド洋の水深約2500メートルにある熱水噴出域の周辺にだけ生息。うろこは貝殻から露出している軟らかい部分を覆っているが、硫黄と鉄の化合物である硫化鉄を蓄積する仕組みは不明だった。

 うろこの硫化鉄を分析した結果、生物が作り出したことを示す特徴を発見。詳しく調べたところ、体内に共生する細菌が硫黄を含む物質を分泌し、これがうろこの内部に流入して海水中の鉄イオンと反応し、硫化鉄になることが分かった。

 全てが細菌由来かどうかは不明だが、硫化鉄は産業資源になるため、生成の仕組みを工業生産に応用できるかもしれないという。