昔、原子核理論や素粒子理論は、原子爆弾や水素爆弾を生み出して、
社会に大きなインパクトがあったので、国家安全保障上の観点から
多額の予算が振る舞われ、世界中から人を集めることで、外国との
技術競争で勝利しようとする覇権国が中心となって推進していた。
しかし、反陽子爆弾やさらにその上を行く爆弾などにはもう実質的な
意味は無くなってしまった。原子力や核融合もそれにこれまで投じてきた
金を半導体の研究に投じていたなら、もっとずっと良い太陽電池が
早い段階で出来ていて原子炉も核融合炉も無用とできていたかもしれない。
原子力と核融合に集中して資金を投じたことは結果論からいって失敗
だった可能性が高い。加速器もノーベル賞と素粒子の理論の推進には役に
たったが、世の中で利用されるエネルギーのレベルは今後100年程度では
せいぜい1Gev程度までだろう。物性の研究なら数evから数Mev程度で
も間に合うに違いない。そうして単にエネルギーのレベルだけよりも、
ビームを利用していろいろな観測や加工を行い、得られた膨大なデーターの
山から必要な情報を取り出すための技術や分析手法のような精密科学
としての研究方針の転換が居ると思う。衝突して反射してきた粒子の
エネルギーを4桁5桁の精度で測るとか、角度分解能を秒のレベルで
確定して計測するなど。