0001しじみ ★
2018/12/01(土) 16:45:19.04ID:CAP_USER燃料切れの飛行機が、駐機場に何千機も放置されている空港を想像してほしい。実は、これと同じことが宇宙で起きている。地球を周回する人工衛星が、燃料切れで放置されている状態が何十年も続いているのだ。
人工衛星は、燃料が切れると正確な軌道を維持することができなくなり、機器そのものが正常だとしても使い物にならなくなってしまう。
米首都ワシントンでは先ごろ、宇宙空間の人工衛星を対象に保守・管理サービスを提供する複数企業の会議があった。会議に出席した米航空宇宙大手SSLのアル・タドロス(Al Tadros)副社長は、「(燃料切れの人工衛星を放置することは)文字通り数億ドルを捨てるようなものだ」との見方を示した。
近年、新しい衛星を打ち上げるよりも、既存の衛星の寿命を延ばす方がより大きな利益を生むとの考えから、こうした分野に進出する企業が多数出てきている。
SSLは2021年、同社の「静止衛星ロボットサービス(RSGS)」事業の一環として無人宇宙船を打ち上げる計画だ。この宇宙船は地球から約3万6000キロ離れた静止軌道上で、人工衛星20〜30基に対して作業を施すことができる。現在、この静止軌道では約500基の人工衛生が稼働している。その大半は通信衛星だ。
SSL社の宇宙船は、対象となる人工衛星を固定し、点検や燃料補給を行う。また修理や部品の交換や、作業後には衛星を元の軌道に戻すことも可能だとされる。
軌道上でのこうしたサービスは、増え続ける宇宙ゴミの難しい問題に対する解決策の一つとしても期待が寄せられている。米軍当局のデータには、宇宙空間に漂う物体2万3000個が記録されているが、そのうち稼働中の人工衛星はわずか1900基ほどにすぎない。
その他にも、稼働していない人工衛星約3000基、打ち上げロケットの残骸約2000個、そして2007年の中国による人工衛星破壊実験、2009年のイリジウム衛星と古いロシアの通信衛星の衝突事故による破片数千個もある。宇宙空間ではこのような物体が、時速2万〜3万キロの速さで常に移動している。
■増え続ける人工衛星
2013年に設立された日本の宇宙ベンチャー企業アストロスケール(Astroscale)は、宇宙ごみや壊れた人工衛星に接近して捉えるシステムの開発を行っている。同社のクリス・ブラッカビー(Chris Blackerby)最高執行責任者(COO)は、「非常に将来性がある」とこの事業に期待を寄せる。2020年には実証実験も計画されている。
一方、欧州航空機大手エアバス(Airbus)は、2023年に「スペースタグ(Space Tug)」の打ち上げを目指している。古くなった人工衛星を捉え、地球から約200キロの高度まで移動させて燃やす計画だ。
米衛星産業協会(Satellite Industry Association)によると、宇宙空間の人工衛星の数は過去5年間ですでに50%増加しており、今後も増え続けると予想されている。
米国では、事故を避け、将来的に対立が起こった場合に対処できるよう、宇宙交通に関するより良い国際規則の必要性について議論が活発に行われている。
米国防総省の研究機関、国防高等研究計画局(DARPA)戦術技術室のフレッド・ケネディ(Fred Kennedy)室長は、「われわれは、西部開拓時代のような状況は望んでいない」と述べ、米国の軍事衛星群について触れながら、地球の国境を超えた、健全なルールの確立を強く望んでいると話した。(c)AFP
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