東芝エネルギーシステムズは、同社が開発販売している水素エネルギー供給システム「H2One」に、水素ステーション「H2One ST Unit」を組み合わせた「H2Oneマルチステーション」を福井県敦賀市に納入すると発表した。

東芝エネルギーシステムズは2018年8月6日、同社が開発販売している水素エネルギー供給システム「H2One」に、燃料電池車(FCV)向け水素ステーション「H2One ST Unit」を組み合わせた「H2Oneマルチステーション」を福井県敦賀市に納入すると発表した。2017年3月に納入予定。東北電力はH2Oneを自社の研究開発センター(仙台市青葉区)に設置する。

H2Oneは太陽光発電システムなど再生可能ネルギー由来の電力の供給を受け、その電力で水素を作って貯蔵するシステム。貯蔵した水素は燃料電池で発電して、電力と熱として供給する。今回H2Oneに組み合わせる水素ステーション「H2One ST Unit」は、再生可能エネルギー由来の電力で精製した水素をFCVなどに供給するユニットだ。どちらも必要な機器をコンテナに収めた形になっており、設置導入時に大掛かりな工事は必要ない。

今回設置する「H2Oneマルチステーション」は近隣の太陽光発電所から電力供給を受ける予定。東芝エネルギーシステムズによると、H2Oneマルチステーションは1日当たりFCV8台に満充填できる量の水素を生成でき、1台のFCVに最速3分で水素を満充填できるという。また、災害などが原因で停電が発生してもH2Oneマルチステーションは動作を続け、300人が滞在している避難所に3日分の電力と熱を供給できる。

敦賀市は、「調和型水素社会形成計画」の策定を進めており、水素エネルギー導入に向けて積極的な自治体だ。今回の「H2Oneマルチステーション」設置も、敦賀市内の水素輸送網実用化に向けた活動の1つ。敦賀市はこの活動に「敦賀市産業間連携推進事業費補助金」を拠出している。

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