火星と地球の距離が31日午後に約5759万キロ・メートルまで近づき、15年ぶりに6000万キロ・メートルを切る大接近となる。今年初めに比べて50倍を超える明るさで赤く輝き、肉眼でもはっきり見える。また、28日未明から早朝にかけては、満月が地球の影に隠れて赤黒く輝く「皆既月食」もあり、天気が良ければ天文ショーが相次いで楽しめそうだ。

火星は、太陽の周りを687日で公転しており、ほぼ2年2か月ごとに地球との距離が近づく「最接近」を繰り返している。火星の軌道は楕円だえん形をしているため、距離は毎回少しずつ異なる。

国立天文台天文情報センターによると、火星は31日午後4時50分に地球に最も近づく。東京では、火星は同7時頃から南東の空に姿を現し、深夜には真南の空に見ることができる。明るさはマイナス2・8等に達し、同センターの担当者は「夏休みから9月にかけてが見頃」と話す。次に距離が6000万キロ・メートルを切るのは、2035年9月になる。

火星が最接近する31日の夜空(東京、午後9時頃)
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https://www.yomiuri.co.jp/science/20180727-OYT1T50086.html