うんこを食べる―。人類にとってある意味、最大の挑戦が始まっている。

研究の課題はどこにあるのか? 注意すべき点はなんなのか? 週刊プレイボーイ本誌は、ひたすらマジメにうんこの可能性を考えます!

■「無菌状態のうんこ」をどうやって作るか?

人間の「うんこ」を安全に食べることのできる未来は近づいている!と聞いたら、皆さんはどう思うだろうか。「誰が食べるんだよ」「実現しても食べたくない」という声が圧倒的多数のはずだ。

しかし、この問題は人類の発展にとって避けては通れない道なのだ。現在、なんとあのNASA(米航空宇宙局)が「うんこ食」の研究を進めているという。

長期間にわたり宇宙に滞在すればするほど、宇宙飛行士にとって「食」は生命に直結する問題だ。宇宙に食べ物を運ぶことはコストがかかり、かといって軌道上で宇宙飛行士自らが食べ物を栽培しようとしても、あまりに時間がかかりすぎる。

ちなみに、すでにISS(国際宇宙ステーション)では濾過(ろか)システムを利用し、おしっこを飲料水として再利用している。しかし、さすがに「うんこ」は厳しいのでは…?

その実現可能性や、研究の実態を解明すべく取材を進めていくと、意外な「うんこ食」の姿が明らかになってきた。

まず話を聞いたのは、正しいうんこの知識を普及させる活動を行なっている「日本うんこ学会」の会長で、医師の石井洋介氏だ。

「はっきり申し上げますと、うんこは食べられません。食べる、食べないは自己責任ですが、医師としては推奨しません」

うんこには、人体に害を及ぼす危険性があるという。

「うんこには害があるものがいっぱい入っています。昔、コレラやペストが大流行して大勢の人が亡くなりましたが、それらはすべてうんこを介して感染しています。ノロウイルスもそうなんです」

「うんこ食」のリスクは重々承知したものの、可能性を諦めきれない記者。なんとか石井氏に食い下がってみると、ひと筋の光が見えてきた。

「うんこを無菌状態にすれば可能性はあるかもしれません」

無菌状態?

「うんこを揚げるなど、何かしら調理法を考えれば、うんこの中にある菌をすべて消すことができるかもしれません。例えば、かつてフグは毒があって食べられないものでしたが、現在は毒のある部位を除去すれば食べられるようになりましたからね」

■様々な味つけを楽しめるかも

「無菌状態のうんこ」を求め、さらに取材を進めていくと、NASAから費用のサポートを受け、研究を任されているという博士を発見した。米ペンシルバニア州立大学にいるというので、早速問い合わせてみると、クリストファー・ハウス博士からすぐに連絡が返ってきた。

>>2につづく
http://wpb.shueisha.co.jp/2018/04/01/102113/