心肺の持久力と筋力がともに低い中学生は肥満度や血圧、
血糖値など生活習慣病に関わる指標が高くなるとの研究結果を、新潟大医学部の曽根博仁教授らが発表した。

 子供の持久力と筋力の両方について、生活習慣病の指標との関連を示した研究は国際的にも初めてという。

 曽根教授の研究グループは新潟県阿賀野市と協力し、
同市の中学2年生993人(男子523人、女子470人)の健康診断結果と体力テストのデータを解析。
20メートルシャトルランを心肺持久力、握力を上肢筋力、立ち幅跳びを下肢筋力、上体起こしを筋耐久力の指標とした。

 肥満度を示す体格指数(BMI)は、持久力、上肢・下肢筋力が低いと高くなり、
血圧と動脈硬化につながる血中脂質は持久力が低いと高まった。
さらに、持久力と上肢筋力がともに低い生徒は、ともに高い生徒に比べ、
肥満度、血糖値、血圧が高く脂質が多い「代謝異常リスク」を持つ可能性が4・3倍に上った。
持久力と下肢筋力で見た場合も、両方とも低い生徒は代謝異常リスクの可能性が3・2倍だった。

 曽根教授によると、近年、大人の生活習慣病予防には持久力だけでなく筋力も関係することが注目されている。
曽根教授は「子供でも持久力と筋力がある程度ないといけないことが科学的に示された。
子供のうちに生活習慣病の芽を摘む必要がある」と指摘。
田中清善市長は「教育現場で子供の筋力、持久力を高める取り組みを考えたい」と話した。

 研究成果は昨年12月、米国の医学専門誌「国際小児思春期糖尿病学会誌」の電子版に掲載された。

読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/science/20180317-OYT1T50027.html