アライグマの増加が止まらない。北海道が発表した昨年度の捕獲数は1万2千頭を超え、過去最高を更新した。
環境省指定の特定外来生物で、市町村が捕獲に力を入れている成果だが、捕獲や目撃情報はほぼ全道に及ぶ。
生息数は捕獲数の数倍とも言われ、現場では「すでに手遅れでは」とため息が漏れる。

 道によると、
昨年度の捕獲数は109市町村で計1万2354頭。前年度(1万954頭)の約1割増で、
2006年度(1724頭)の約7倍だ。

道内では1979年に恵庭市内で飼育されていた約10頭が逃走し、
道央圏から生息域が広がったとされる。昨年度は捕獲以外にも40市町村で目撃情報があり、
ほぼ全道に拡大している。

 宗谷地域の場合、10年ほど前から増えはじめ、
今年度は全7市町村ですでに1171頭(昨年12月20日現在)を捕獲した。
14年度の346頭の3倍以上だ。

稚内市の担当者は「畑のそばや倉庫などでよく箱わなにかかるが、ねぐらがわからない。
繁殖力が高く、捕獲が出産数に追いついていないのでは」という。

画像:農家の倉庫に設置された箱わなで捕獲されたアライグマ=北海道稚内市
https://www.asahicom.jp/articles/images/AS20180110003096_commL.jpg
図:道内のアライグマによる農業等被害額と捕獲数
https://www.asahicom.jp/articles/images/AS20180110003374_commL.jpg

朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/photo/AS20180110003096.html