地球温暖化の高精度予測を目指す気候変動観測衛星「しきさい」などを搭載したH2Aロケット37号機が23日午前10時26分22秒、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。
衛星2基を予定の軌道に投入し、打ち上げは成功した。

 しきさいは日射を遮る大気中のちりや雲、温暖化をもたらす二酸化炭素を吸収する植物の分布などを継続的に観測。
これらが温暖化に及ぼす影響を解明し、将来予測の精度向上に貢献する。開発・打ち上げ費用は322億円。

 ロケットは2段エンジンの着火回数を3回に増やし長時間の飛行を可能にした改良型H2A。
しきさいの軌道投入後、逆噴射して降下し試験衛星「つばめ」を投入した。
200〜300キロの超低高度を周回し、高解像度で地球を観測するための技術を実証する。

 国産ロケットが高度を下げてから衛星を投入したのは初めて。
軌道が異なる2基の衛星を1回の打ち上げで投入することでコストを抑え、ロケットの運用の幅を広げる狙いがある。
H2Aは31回連続の成功となり信頼性を高めた。

画像:観測衛星「しきさい」と試験衛星「つばめ」を載せ、
上昇するH2Aロケット37号機=23日午前10時26分、鹿児島県の種子島宇宙センター
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産経ニュース
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