ロシア極東のサハ共和国で、1万年前に絶滅した肉食獣「ホラアナライオン」の氷漬けになった子供3頭が、永久凍土の中から相次いで発見された。
日本とロシアの研究チームが15日、発表した。ホラアナライオンは骨格と足跡がわずかに見つかっていただけで、完全体の発見は世界初。
生態の解明につながると期待される。


 兄弟とみられる2頭は2015年夏に見つかった。1頭は体長41センチ、体重2.8キロで、全身がほぼ完全に残り、しま模様の毛皮も確認された。
もう1頭は頭と胸だけ見つかった。コンピューター断層撮影(CT)画像を東京慈恵会医大(東京都)で解析した結果、
5万年以上前の個体で、生後1カ月程度とみられる。


 今年9月には、体長47.5センチ、体重4.6キロの、さらに成長した個体が見つかった。尾は少なくとも11センチあった。
 ホラアナライオンは現存するライオンと比べて毛深く、独特のしま模様がある一方、たてがみはなかった可能性がある。
記者会見したロシア科学アカデミーのアレクセイ・チホノフ博士によると、マンモスを食べており、食物連鎖の頂点にいたとされる。
 慈恵医大の鈴木直樹教授は、消化管の内容物から、詳しい食生活など多くのことが分かると指摘。
「タイムマシンで数万年さかのぼり、直接動物を調べるほどの価値がある」と評価した。
(2017/11/15-21:20)

画像:新たに発見されたホラアナライオンの子供を調べる研究者
https://www.jiji.com/news/kiji_photos/0171115at86_t.jpg
画像:研究チームが作成したホラアナライオンの復元図。成体2頭は想像図
https://www.jiji.com/news/kiji_photos/0171115at87_t.jpg

時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017111501317&;g=soc