岩間陽子・政策研究大学院大学教授
2022年2月24日

 ウクライナ情勢が急展開した。プーチン露大統領が大仰な舞台設定までして発表した自称「ドネツク人民共和国」及び「ルハンスク人民共和国」の一方的な「独立」承認は、それまでの外交の前提を根底からひっくり返した。
 ショルツ独首相は、ガスパイプラインのノルド・ストリーム2承認手続き停止を命じた。これまで手続きが遅れていたのは、単に法技術的な問題であったが、今回の停止は明白に首相が命じた政治的行為である。



ゴールポストを動かすプーチン氏

 危機があまりに長引いているので、どこが急展開か分からない読者も多いかもしれない。危機開始以来、ロシア側の要求は多岐にわたっていて、真の狙いがどこにあるのか、そんなものがあるのか、それとも武力で脅し続け、ゆすり取れるだけのものを取ろうと思っているのか、誰にも分からない。
 ゴールポストはどんどん動いている可能性もあるし、そこの分析に労力を費やしてもあまり意味がない。今回の「独立」承認は、プーチン氏自身が明白にゴールポストを動かした、あまりに顕著な一例であった。



仏独の努力
     ===== 後略 =====
全文は下記URLで
https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20220223/pol/00m/010/020000c