OracleがGoogleの著作権侵害を訴えて約1兆円の損賠賠償請求をしていた裁判で、
1審判決の判断が覆され、Oracle勝訴となりました。
Androidの基礎をなすプログラムの著作権侵害を認める判断であり、
Googleのモバイルビジネスに大きな影響が出そうです。

Appeals from the Umted States District Court for the Northern District of California in No.3.10-cv-03561-WHA,Judge William H.Alsup.
(PDFファイル)http://www.cafc.uscourts.gov/sites/default/files/opinions-orders/17-1118.Opinion.3-26-2018.1.PDF

Google Could Owe Oracle $8.8 Billion in Android Fight - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-03-27/oracle-wins-revival-of-billion-dollar-case-against-google
https://i.gzn.jp/img/2018/03/29/oracle-beat-google/00_m.jpg

Oracleは2010年にGoogleに対して、Java APIを無断で利用しているとして損害賠償を求めて提訴していました。
この訴訟は損害賠償額が880億ドル(当時のレートで約1兆円)という巨額のため、大きな話題になりました。

Googleは複製したJava APIのプログラム(宣言コード)は著作物にあたらないと主張しましたが認められず敗訴。
その後、GoogleはJava APIの利用行為はフェアユースであると主張し、
2016年にサンフランシスコ連邦地裁の陪審員団はこの主張を認めてGoogleが勝訴していました。

Oracleは1審判決を不服として上訴してましたが、2018年3月27日に出された連邦控訴審判決では1審判決が覆り、
「本件のGoogleによるJava APIの利用はフェアユースにあたらない」との判断を示し、Googleが敗訴しました。
連邦控訴審はOracleの被った損害額を審理するために事件を連邦地裁に差し戻しました。
なお、Oracleが求めているのは損害賠償であり、差し止めではないためAndroid端末の販売が禁止になることはありません。

勝訴判決を受けてOracleの法律顧問を務めるドリアン・ダレイ氏は、
「この決定はクリエイターと消費者を違法な権利侵害から保護するものです」と判決を歓迎するコメントを発表。
対してGoogleは、この判決は新しいソフトウェアプログラムの開発に悪影響を及ぼし、
ひいては製品のコスト上昇を招き消費者に不利益だと述べ、失望した旨を明らかにしています。

Googleは今回の判決を下した3人の裁判官のいずれかに対して判断の再考を促し、
その後、最高裁での審理を要求できますが、2014年の時点で最高裁は、
連邦控訴裁判所が下した「APIは著作権保護対象である」との決定の見直しを求めたGoogleの訴えを棄却しており、
あらためて上訴して争う可能性は高くなさそうです。

そうなると今後は、連邦地裁では損害賠償額について審理されますが、
Oracleは当初の88億ドル(約9400億円)を超える賠償を望んでおり、
GoogleとOracleは損害額の認定を巡って激しく争うことが予想されています。

GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20180329-oracle-beat-google/