世界的な象牙やサイの角の違法取引を追跡していた世界有数の調査員、エズモンド・ブラッドリー・マーティン氏が4日、
ケニアの首都ナイロビで刺殺されているのが見つかった。

マーティン氏は各地の厳しく危険な場所で、潜入調査を繰り広げていた。象牙市場を写真や映像で記録し、
密輸業者と話し、闇市場の価格を計算し、世界中の動物保護の政策決定者の指針となっていた。

マーティン氏はここ数年、協力者のルーシー・ビーン氏と共に象牙やサイの角の買取業者に扮し、
中国やベトナム、ラオスへ出向き、外国人がほとんど足を踏み入れないような場所を訪れていた。

奇妙な組み合わせとも言える2人は、中国人が経営するラオスのカジノでギャングや麻薬王のほか、
人間や銃や野生動物を扱う密輸業者の間を渡り歩き、データを集めた。

ゾウの保護団体「Save the Elephants」の資金提供をもとにした2人の調査で、
ラオスの象牙市場が世界で最も急速に成長していることが判明した。

2人のミャンマー調査旅行から帰ったばかりで、マーティン氏は調査内容をまとめている最中に殺害された。

警察は殺害の動機を調べている。マーティン氏はナイロビ郊外のカレン付近にある自宅で、首をナイフで刺されて死亡した。

侵入盗が失敗して殺人に至ったかのようにも見えるが、警察はマーティン氏の仕事との関連を調べている。

2016年のBBCインタビューで、マーティン氏はここ5年、アフリカで密猟が増えた理由について、
ゾウの生息地域の多くで管理が不適切だからだと指摘していた。

「おそらく汚職は、ゾウの密猟が増えている唯一最大の原因だ。あらゆる次元で、汚職が横行している」

「ここ数年で、多くの中国人がアフリカに移り住んだ。アフリカで働く中国人は、いまや約100万人かそれ以上だろう」

「アンゴラやナイジェリア、エジプト、スーダン、それにモザンビークなどで、巨大な象牙の違法市場が公然と存在している。そこで売られている象牙のほとんどを、中国人が買い上げている」

公然と開かれていた違法市場の多くは、マーティン氏の尽力を得て閉鎖された。
それによって、野生動物犯罪への取り組みが不十分な複数の政府の注目を集めた。

中国は昨年いっぱいで国内の象牙市場を閉鎖した。これにはマーティン氏の調査活動の貢献が大きいと言われている。
1993年に取引が禁止されたサイの角についても同様だ。

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画像:エズモンド・マーティン博士は命をかけて、象牙やサイの角の違法取引の証拠写真を撮影した。
https://ichef-1.bbci.co.uk/news/660/cpsprodpb/2632/production/_99887790_a3efc572-0a30-4b02-91e4-ab609a26178f.jpg

BBCニュース
http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-42970477