カタール断交を支持?、トランプ氏のツイートが波紋

トランプ大統領のツイートが波紋を呼んでいる
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トランプ大統領は5月にサウジアラビアなどを訪問していた
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CNN 2017.06.07 Wed posted at 18:13 JST
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(CNN) 中東カタールがテロを支援しているなどとしてサウジアラビアなど近隣諸国から外交関係を断絶された問題をめぐり、トランプ米大統領はツイッター上でサウジ側を明確に支持する姿勢を示した。断交は自身が働き掛けた成果だと示唆するようなツイートが波紋を呼んでいる。
トランプ氏は6日、ツイッターに「最近の中東歴訪中、私は過激思想にこれ以上資金を与えてはいけないと述べた。指導者らはカタールを挙げていた」と書き込んだ。
同氏はまた「サウジ訪問で国王や50カ国の相手と会った成果がすでに出ていると分かってうれしい。過激派への資金提供には強硬策を取るという話だった。全ての話がカタールを指し示していた。これは恐らく、テロの恐怖を終わらせる第一歩になるだろう」ともツイートした。
トランプ氏自身がサウジなど湾岸諸国に対し、カタールとの断交を促していたとも取れる内容だ。
しかしカタールには中東で最大級の米空軍基地がある。ここは過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に対する空爆作戦などを統括する重要な拠点となっている。
トランプ氏自身も先月、サウジで開かれたイスラム圏諸国との首脳会議では、カタールと「極めて良好」な戦略的関係にあると強調していた。
米国のマティス国防長官とティラーソン国務長官は5日、訪問先のオーストラリアでの会見で、断交が対テロ戦での共闘態勢に影響を及ぼすことはないと繰り返した。
米国防総省と国務省はそれぞれトランプ氏とは対照的にカタールへの配慮を示し、中立的な立場を印象付けている。
国防総省の報道官は6日、「カタールの長年に及ぶ駐留米軍への支援と地域安全保障への尽力に感謝する」と述べ、同国との協力態勢に変わりはないと強調した。

国務省の報道官もカタールへの「感謝」に言及した。同報道官によると、米国は断交発表の「直前」になって湾岸諸国から通知を受けたという。
湾岸諸国を襲った危機の解決に向け、米国は中立的な仲裁役を果たすことが期待されていたとの見方もある。
だがトランプ氏がツイッターを通して明らかにサウジ寄りの立場を示したことにより、その可能性は消え去ったと、専門家らは指摘している。