ヤフーニュース3/14(日) 10:00
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スペシャルウィークやトウカイテイオーなどの有名競走馬を美少女キャラに擬人化したスマホゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」。同作はテレビアニメの2期が放送中ですが、なぜアニメではなく、2月24日からスタートしたゲームの配信を受けて人気が爆発したのでしょうか。その背景と人気の理由を分析します。

◇30日間の「ツイート数グラフ」は「エヴァ」「鬼滅」以上
「ウマ娘」は、実在の競走馬の名前と魂を受け継ぎ、ウマの耳と尻尾を持つ可愛らしい美少女「ウマ娘」たちが、学園生活を送りながらレースに挑むという内容です。2016年に発表され、テレビアニメが2018年4〜6月(1期)と現在(2021年1月〜、2期)放送中です。アニメが放送されている通り、「ゲームの前から既に人気だった」と思う人もいるかもしれません。

もちろん、その通りなのですが、スマホゲームでブレークしたのも確かです。「グーグルトレンド」で「ウマ娘」と検索すると、スマホゲームを配信した2月24日以降の伸びが段違いなのが一目瞭然です。

ヤフー!のリアルタイム検索でも同じ傾向にあり、2月24日のスマホゲーム配信以降は、相当強い反応があります。リアルタイム検索で直近30日間の「ツイート数グラフ」ですが、ちょうど1カ月前にテレビアニメ「遊郭編」を発表した「鬼滅の刃」が約50万件、映画が公開されたエヴァンゲリオンが約153万件、「ウマ娘」は何と約196万件でした。「ウマ娘」はスマホゲームのため繰り返し検索されるのであくまで参考程度にしても、すさまじい限りです。

「ウマ娘」は事前登録段階で60万人を集めましたが、3月10日には約3倍以上の200万人を突破しています。やはり配信後に口コミでしっかり広がっているのが分かります。

◇「面白い」という「当たり前」難しく
なぜそこまで反応があるか?と言えば、「ゲーム内容が面白い」という、実に「当たり前」の答えになります。同時にその「当たり前」が難しく、サービスを終えるスマホゲームが多いのもまた事実です。「ウマ娘」のスマホゲームは、当初2018年冬に配信予定でしたが、ゲームのクオリティーアップを理由に2年以上延期しています。その決断が正しく、開発陣の執念が実った形です。

ヒマつぶし程度に思われがちなスマホゲームですが、なんだかんだでしっかりした面白さを求める人は多いということでしょう。「パズル&ドラゴンズ」や「モンスターストライク」のブレークもそうですが、ゲームの本質的な面白さがあってこそです。スマホゲームは基本無料のためビジネス面ばかりクローズアップされますが、コンテンツ自体の面白さや魅力がある方が圧倒的に有利なのです。

◇競馬の「展開のまぎれ」ゲーム内で“再現”
「ウマ娘」が面白いと思える最大のポイントは、白熱したレースが展開されることでしょう。強い馬(ウマ娘)を育てても、コロッと負ける可能性があり、油断できないのです。逆に言えば、自分のウマ娘が劣っていても、一発逆転の可能性があることです。

同作では、スピードやスタミナなどの基礎能力値以外にも、スピードをアップさせたり、ライバルを妨害する特殊能力「スキル」があります。このスキルの発動がポイントで、発動の確率を高めたり、ある程度のリスクヘッジもできますが、絶対はないのです。もちろん枠順、作戦、ライバルの動きでもレースの結果は変わります。

またスタートに失敗する「出遅れ」があっても、展開次第ではレースに勝てたりするのも驚くべきことです。要するに、競馬でいうところの「展開のまぎれ」をゲーム内で“再現”しているのです。そして競馬最大の見せ場である、最終直線の攻防も見事な演出で、手に汗を握りしめるでしょう。ウマ娘の真剣な表情に萌える人もいるでしょうが……。

◇実在競馬のエピソードも充実したシナリオ 
なおプロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスの田中将大投手が自身のツイートで、ゲーム「ウマ娘」をしていることを明かしています。

田中投手は「Bランク」のウマ娘をずらりとそろえていますが、コアゲーマー“顔負け”に遊んでいるレベルになります。余談ですが、田中投手のツイートに、多くのゲーマーが攻略のアドバイスを送っていて、これが相当に役立ちます。ゲームをプレーして、苦戦している方は参考にしてはいかがでしょうか。

「美少女ゲーム」のようなインパクトがあり、中身も本格的に楽しめる「ウマ娘」。なおゲームのシナリオも充実しており、実在の競走馬のライバル対決、エピソードなどもふんだんに盛り込まれています。

面白いゲームが人気になるとは限りませんが、人気になるゲームには相応の理由があるのも確かなのです。