約半年間、宇奈月ダム(富山県黒部市)の内部を「酒蔵」として貯蔵した
日本酒の蔵出し式と祝賀会が15日、同市宇奈月町で開かれた。
日本酒のプロもうなるおいしい“ダム日本酒”が完成した。

宇奈月ダムは2001年に完成した洪水調節や発電などを目的とした多目的ダム。
管理所からエレベーターで約50メートル降りた堤体内の点検通路は、
1年を通じて温度約11度、湿度60〜90%と一定で、振動もほとんどなく、
日本酒の貯蔵には絶好の条件という。

この特徴に目をつけた宇奈月温泉自治振興会(河田稔会長)が、
地域活性化の一環として酒蔵として利用することを発案。
国土交通省黒部河川事務所の協力を得て、
今年3月から新聞紙に包んだ日本酒数種類の一升瓶約120本を貯蔵した。

今回は、そのうち約30本を蔵出しし、
同市宇奈月温泉の「湯めどころ宇奈月」で、約50人が味を確認した。

日本酒プロデューサーの上杉孝久さん=東京都=は
「全国には日本酒をダムで貯蔵しているケースはあるが、あんなに深い場所はない。
 まさに理想的な場所」と話し、普通の酒と飲み比べて
「まろやかで角がとれている。もう半年寝かせればさらにまろやかさが出るのでは」と太鼓判。

河田会長も「年内にもう一度蔵出し式をするので、もっとおいしくなるはず」と期待していた。

写真:宇奈月ダムから蔵出ししたばかりの日本酒を堪能する上杉孝久さん(左)と河田稔会長
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写真:日本酒を貯蔵しているダムの内部
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以下ソース:毎日新聞 2017年9月20日 09時30分(最終更新 9月20日 09時58分)
http://mainichi.jp/articles/20170920/k00/00e/040/213000c