時計台がっかり度アップ? バックに「創世スクエア」 逆手に取ったPRも
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 札幌市中央区の大型再開発施設「さっぽろ創世スクエア」の完成に伴い、札幌を代表する観光名所・札幌市時計台を
訪れる観光客に困惑が広がっている。27階建ての創世スクエアは時計台の真後ろに位置し、写真撮影の際に背景に映り込んでしまうためだ。
ビルに囲まれた時計台は、以前から「日本三大がっかり名所」との異名もあり、まちづくりの専門家は、周辺で進む再開発計画について
「時計台の魅力を生かす開発を」と求めている。

 4月上旬、大阪から観光に来た会社員の川西智美さん(44)は時計台の写真を撮ろうとして周囲をうろうろした。
ところがどこから撮っても写真にビルが入ってしまう。「こんなビル街に歴史的な建物があるとは」。
川西さん以外にもスマートフォンやカメラを手に、時計台を見上げながら行き来を繰り返す観光客らの姿が目立つ。

 札幌商工会議所「観光ボランティアガイドの会」のベテラン、渡辺昇さん(82)は
「ビルを入れずに時計台を撮影できる場所がいよいよ少なくなった」と苦笑い。
一方で「ビル街に立つ時計台は街発展の象徴」と指摘する。高い建物に囲まれていることで木造の時計台建物が
強風から守られる面もあるといい「ガイドではオフィス街にある意義や背景も丁寧に伝えたい」と話す。