「下ネタ話への許容性も高いだろうし、男に対する見識もそれなりのものがあるだろう」
“炎上”必至の弁明だった。和歌山県警の参考人聴取で性生活をしつこく聴かれ、心的外傷後ストレス障害(PTSD
を発症したという大阪府内の30代女性が大阪地裁に起こした損害賠償請求訴訟で、被告の県側が驚くような内容の弁書を陳述した。
女性がかつて飲食業をしていた事実を引き合いに「(この女性は)下ネタ話への許容性が高い」というものだ。
女性側は「甚だしい女性蔑視(べっし)と職業差別」と激しく憤り、専門家も「聴取の内容が社会通念に照らして違法かど
うかが争われるべきで、女性の職業は関係ない」と批判している。

“下ネタ話”で片付ける

今年5月の提訴から約2カ月。迎えた7月8日の第1回口頭弁論で、原告側代理人の弁護士は、出廷しなかった女性の意見陳述書を読み上げ、心情を代弁した。
《聴取から1年半ほどたったが、一日たりとも苦しみを忘れられず、日々涙を流している。卑猥(ひわい)な質問を執拗(しつよう)に浴びせられ、辱められた》
 女性が怒りや悔しさをあらわにしたのは、県警からの参考人聴取だ。
 訴状によると、県警は昨年1月、飲食店のホステスの体を触った強制わいせつ容疑で、女性の内縁の夫を逮捕。女性は事件の参考人として、
和歌山西署の刑事から「旦那さんのためでもある」と迫られ、内縁の夫との性生活を聴かれたという。
 「SかMか知りたい。どういった体位でするのか」
 「尺八はするのか」
 「コンドームはつけるのか。フィニッシュは。どこで出すのか」
 「(夫の性器の)反り具合は。硬さはどうか」
 署の刑事課内の一室で次々に浴びせられる質問。女性は恐怖と恥ずかしさから悪寒や吐き気に襲われた上、
睡眠障害や抑鬱(よくうつ)症状などが続き、昨年9月にはPTSDと診断されたという。
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130722/waf13072207010016-n1.htm