マイナス金利解除「物価上昇に確信持てれば選択肢」…植田日銀総裁インタビュー
2023/09/09 05:00 読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230908-OYT1T50416/


日本銀行の植田和男総裁は、読売新聞の単独インタビューに応じた。賃金上昇を伴う持続的な物価上昇に確信が持てた段階になれば、大規模な金融緩和策の柱である「マイナス金利政策」の解除を含め「いろいろなオプション(選択肢)がある」と語った。現状は緩和的な金融環境を維持しつつも、年内にも判断できる材料が出そろう可能性があることも示唆した。

「現状は緩和維持」

植田氏が今年4月に就任して以来、報道機関の単独インタビューに応じるのは初めて。現状、「物価目標の実現にはまだ距離がある。粘り強い金融緩和を続ける」との立場は維持した。

植田氏は、短期金利をマイナス0・1%とするマイナス金利政策の解除のタイミングについて、「経済・物価情勢が上振れした場合、いろいろな手段について選択肢はある」と回答。さらに、「マイナス金利の解除後も物価目標の達成が可能と判断すれば、(解除を)やる」と述べた。

具体的な時期は、現状では「到底決め打ちできる段階ではない」とした。来春の賃上げ動向を含め、「年末までに十分な情報やデータがそろう可能性はゼロではない」とした。

日銀は7月の金融政策決定会合で、長期金利を0%程度に操作する金融緩和策「イールドカーブ・コントロール(YCC)」の上限を事実上1・0%にした。植田氏は長期金利が当面は届かないだろう水準に設定したことを「リスクマネジメント(危機管理)」と表現。「経済・物価見通しが上振れした時に、日銀がYCCを意図しない形で放棄するようなことに追い込まれるリスクもゼロではなかった」と説明した。


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