『外食を救うのは誰か』 #1

鷲尾 龍一 12時間前

 オープン当初は「低価格・高品質」で客の支持を集めた新興ハンバーガー店は、なぜ2年足らずで全店閉店してしまったのか?

 成功の方程式にとらわれた「ブルースターバーガー敗戦記」を、日経ビジネス記者の鷲尾龍一氏の新刊『外食を救うのは誰か』より一部抜粋してお届けする。(全3回の1回目/#2、#3を読む)

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昼時でも店内は閑散…「ブルースターバーガー」の末期

 2022年6月中旬、東京・渋谷駅から徒歩3分ほどの繁華街にあるハンバーガー店「ブルースターバーガー渋谷宇田川店」を訪れた。「6月末で閉店するらしい」。そんな情報を関係者から入手したためだ。

 新型コロナウイルス禍のさなかの2020年11月、1号店(中目黒店、東京・目黒)が開業したブルースター。
スマートフォンアプリによる注文システムとキャッシュレス決済を活用した「ほぼ非接触」のテークアウト専門店として注目され、筆者も記事を書くために買いに行ってみた。
それから1年半、多店舗展開を目指しているはずのブルースターが旗艦店である渋谷の店舗を閉めるという。まずは現地を見てみようと思い立った。

 最初に違和感を覚えたのは、店の前に置かれた看板の文字を目にしたときだった。「ゆったりソファー席! 奥に広々50席」と書いてある。一般的な飲食店であれば普通のうたい文句だが、ブルースターはテークアウト専門ではなかったか。

     ===== 後略 =====
全文は下記URLで

https://bunshun.jp/articles/-/60702