賃金体系の改善をしてください――。立ち上げから1年になるサカイ引越センター労働組合が8月10日、都内で記者会見を開き、固定給部分の割合を増やすように訴えた。

労組によると、サカイ引越センターの給与体系は、基本給のほか、4つの手当が「業績給」として出来高払い制の賃金となっている。

大森陸執行委員長の2020年12月~21年4月の平均賃金で割合を算出すると、基本給(当時6万円)の占める割合が約15%にとどまる一方で、業績給など3つの手当てが約77%だった。また、大森さんが2022年、ドライバーから助手職(運転せず同乗)に職種変更したところ、基本給は5万円となったという。

大森さんは「基本給のベースが上がらないとボーナスも上がらない。さらに、有給休暇を取得すると1日5~6千円しか払われず、給料が下がるため、取りたくても取れない」と訴える。

労組の代理人を務める籾山善臣弁護士は「運送業の固定給平均は、5割を超えている。15%と低いままでは、安心して働くことができない」と指摘した。労組は団体交渉で固定給部分の割合を増やすように求めており、今後も交渉を続けていくという。

●サカイ引越センター「回答差し控える」

サカイ引越センターは取材に「交渉中でございますため、当方からの回答は差し控えさせていただきます。今後もガバナンスを効かせることで、共に働く従業員、アルバイトの皆さんを含め弊社に携わる全てのステークホルダーの皆さまに安心して弊社とお付き合い頂くべく耳を傾けてまいります」とコメントした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c735898de0820066b32cda00fef1f1e86990e192