NTTドコモは5日、高速通信規格「5G」対応スマートフォンの低価格モデルを順次発売すると発表した。現行の5Gスマホは多くが10万円を超えるなかで、3万〜6万円台の低価格帯を用意する。足元の5G契約者数は約50万人。価格を抑えた端末の投入効果などで2021年春までに計250万人を目指す。

「これから拡大する5G端末を手に取りやすくしたい」。ドコモの吉沢和弘社長は冬春向け新商品のオンライン発表会でこう強調した。5G端末は6機種を新たに発売する予定で、このうち4機種は3万〜6万円台と値ごろ感を打ち出した。

超高速で大容量の5Gはスマホ以外のさまざまな端末機器への活用も広がる。ドコモは21年3月からカメラやプロジェクター、オーディオ機器などのレンタルサービスを始める。1日単位の短期から1カ月の長期まで利用期間が選択できる。

旅行中に360度カメラで撮影した映像を離れた所にいる家族が仮想現実(VR)用ヘッドマウントディスプレー(HMD)で楽しみ、一緒に旅行気分を味わうなどの使い方ができるという。

5G基地局の整備については、これまで21年度に2万局としていた計画を更新し、22年度に3万2千局まで拡大することを発表した。21年度に基地局を5万局まで増やす計画のKDDIとソフトバンクは既存の4G基地局を5Gに転用し、通信エリアを拡大する。ドコモは5G専用の基地局整備に力を入れており、戦略に違いが出ている。

23年度までの5年間で1兆円の投資を公表していたが、24年度以降も年間数千億円の投資を続けるという。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65881050V01C20A1X13000/