ぐるなび[2440]は28日、2021年3月期の連結最終損益が95億円の赤字(前期は9億4900万円の黒字)になりそうだと発表した。05年の上場以来、初の最終赤字となる。足元では政府の外食需要喚起策「Go To イート」によって同社のサイトを通じた飲食店の予約が増えているが、収益の柱だった店舗情報の掲載料収入が大きく減るのを補えない。

営業損益は92億円の赤字(同18億円の黒字)、売上高は42%減の178億円を見込む。9〜10月の新型コロナウイルスの感染状況が今後も続くとの前提をおいて算出した。経営が悪化した飲食店が広告費を絞り、解約や情報掲載料の安いプランへの変更に動いている。有料契約店舗数は9月末時点で5万店を下回り、前年同期末から16%減った。

10月から始まったGo To イートの効果で、10月のネット予約件数は23日までの実績で前年同月比2.7倍に増えた。10月〜21年3月の予約に応じた手数料収入は4〜9月期に比べて27億円増える見込み。ただ、予約手数料は情報掲載料に比べると単価が低い。

未定としていた年間配当は無配(前年実績は8円)とする。あわせて役員報酬を一部返上し、手元資金の確保を優先する。

同日発表した20年4〜9月期の連結最終損益は54億円の赤字(前年同期は4億8400万円の黒字)、売上高は前年同期比62%減の58億円だった。

2020/10/28 21:02
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65574770Y0A021C2DTA000/