富士通は13日、量子コンピューターの開発に向けて理化学研究所や東京大学などと共同研究を始めると発表した。グーグルなど米IT(情報技術)大手が開発で先行する「量子ゲート方式」の実現を目指す。基礎研究からアプリ開発まで総合的に手掛け、将来は創薬や金融などの産業分野での幅広い活用を見込む。

理研と東大、大阪大学のほか、オランダのデルフト工科大学と共同で中長期的な研究に取り組む。量子ゲート方式と呼ばれる量子コンピューターは、幅広い計算に利用できる汎用性の高さが特徴。海外勢が巨費を投じて開発を進める一方、安定性の向上といった課題も多く、実用化は20〜30年先とも言われている。

富士通はこれまで、量子コンピューターの計算を疑似的に実行する技術を開発し、金融分野などで活用が進んでいる。
2020/10/14 1:00
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64967640U0A011C2000000/