トレンドマイクロは、IDとパスワードによるログインが必要なウェブサービスの利用者の実態を調べた「パスワードの利用実態調査 2020」の結果を発表した。2017年の調査と同様に、今回の調査でもパスワードを使い回す利用者が8割以上だったとしている。

 今回の調査ではパスワードを使い回すと答えた利用者が85.7%に上った。2017年調査では85.2%だった。「パスワード管理への意識には前回からほとんど変化がなく、いまだに多くの利用者がリスクの高い利用状況」(同社)という。

 パスワードを使い回す理由は、「異なるパスワードを設定すると忘れてしまう」が71.4%で最も多く、「異なるパスワードを考えるのが面倒」が49.4%だった。「使い回してもリスクはないと思っている」は11.6%と少なく、同社はパスワード設定の手間が利用者を悩ませているようだと指摘する。

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「あなたは、ID/パスワードでのログインが求められるウェブサービスの利用にあたり、パスワードを使い分けていますか。使い分けている方は、何種類のパスワードを使い分けているかお答えください」(単一回答、n=515、出典:トレンドマイクロ)
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「ID、パスワードを使いまわす理由はなんですか?」(複数回答、n=441、出典:トレンドマイクロ)

 過去に不正アクセスや情報流出の被害経験がある利用者は19.4%で、最多は「個人情報の流出」の46.0%。以下は「SNSアカウントの不正操作(37.0%)」「EC(電子商取引)サイトの不正利用(15.0%)」「ネットバンキングの不正送金(4.0%)」だった。

 調査は8月17〜18日にインターネットでアンケートを行い、有効回答は515件。

2020-09-29 13:15
ZDNet Japan
https://japan.zdnet.com/article/35160166/