ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の新型ゲーム機「プレイステーション(PS)5」の発売日と価格が9月17日早朝に発表された。わずか2カ月後という11月12日という発売日に、税抜き4万9980円(デジタル・エディションは3万9980円)という価格は驚きを持って受け入れられた。あわせて翌18日午前10時からの予約受け付けも発表されたが、同時刻から予約を開始したのはアマゾンなどごく一部の流通に限られ、いずれも予約が殺到。程なくして40万円以上のプレミア価格で出品され、SIEがツイッターで謝罪する事態となった。どうしてこういうことが起きたのか。関係者への取材をもとに理由を探った。

 PS5は超高速アクセスが可能なカスタムSSDとAMD社製カスタムチップセットを搭載し、ロード時間を大幅に短縮。また、コントローラーには従来の振動技術に代わりハプティック技術を搭載、L2・R2ボタンには抵抗力を感じさせるアダプティブトリガーを採用している。物理メディアにUltra HD Blu-rayを採用し、ゲームディスクとしての容量は100GBになる。光学ディスクドライブがなく、ダウンロードソフトのみに対応した「デジタル・エディション」を用意しているのも特徴だ。既に「グランツーリスモ7」「ファイナルファンタジーXVI」といった話題作のリリースが発表されている。

 高いスペックにもかかわらず、税別5万円を切る手ごろな価格は、SNS上でも大いに反響を呼んだが、同時に“争奪戦”を予想する声も上がっていた。発表のわずか1日後の18日午前10時からの予約受け付けが発表されたからだ。しかし、実際はそんな予想をもはるかに上回る激しい“争奪戦”が展開された。18日午前10時から先着で予約をスタートさせたのがアマゾン、楽天ブックスといったごくわずかな法人だけだったからだ。高いシェアを持つとみられるアマゾンでも、受け付け開始から10分足らずで予約を締め切り、その後、数時間後にはマーケットプレイスで20万円以上の値段で販売されるようになり、やがて40万円以上の価格になっていった。加えて、キャンセル不可の条件も付けており、価格の桁数を見間違っての誤購入もねらったものとみられる。

それでは、他の法人はどういう対応を取ったのか。ヤマダ電機、ヨドバシカメラ、ビックカメラといった家電流通大手は、店頭での受け付けをやめ、ウェブサイトでの抽選販売のみという対応を取ったほか、ゲーム販売大手のゲオは24日からアプリ経由による抽選販売を受け付ける予定だ。つまりほとんどの法人が先着予約ではなく、抽選販売を決めたのだ。エントリーしても買えるか分からないため、現時点で“確実に”買える手段が極めて限定されてしまう状況になった。

 抽選の受け付け開始が、各法人によってばらついたのも枯渇感に拍車をかけた。ビックカメラ、ノジマオンライン、ヤマダ電機(ヤマダウェブコム)、TSUTAYA、Joshin(ジョーシン)などは18日からだったが、前述の通り、ゲオは24日からで、ヨドバシカメラ(ヨドバシ・ドット・コム)は19日から。“おひざ元”のソニーストアも23日からと、SIEが発表した18日午前10時に受け付けをスタートさせたのはわずかな法人にとどまった。

 では、どうして法人によって受け付けがばらついたのか。複数の関係者は、単純に発表から受け付け開始まで準備期間がわずか1日しかなかったことを理由に挙げる。もっとも新型ゲーム機の発売日はトップシークレットにあたるため、いくら取引先といえども発表前に確定的な情報が入っていたわけではないようだ。その状態で予約開始日時までサプライズ発表されたことで、あらかじめ予約開始日を予想して準備していた法人と、対応が間に合わなかった法人で受け付け開始日に差が出たとみられる。
以下ソース
https://news.yahoo.co.jp/articles/a71fb577b85ffa5ba163b9b0ef25efa04e1802cb