楽天がネット通販「楽天市場」で、アマゾンジャパン(東京・目黒)への新たな対抗策に動いている。電子商取引(EC)プラットフォームを手掛け、「アマゾンキラー」の異名を持つカナダのショッピファイとの提携を通じて米国の出店者らを取り込み、楽天市場の魅力を高める。自社物流の整備や送料の無料化に続き、ショッピファイという3つ目の矢で対アマゾンの活路を求める。

「個性豊かで多様な店舗が集まっている」。27日の出店者向けのオンライン講演会で、三木谷浩史会長兼社長は楽天の強みをこう表現した。

この強みを磨く一助になるのが、4月に発表したショッピファイとの提携だ。同社はサイト作成や顧客管理、決済などの機能を「黒子」として月額29ドル(約3100円)から提供する。世界で100万以上の店舗が同社のシステムを利用する。両社の提携で、ショッピファイのシステムを使う日本や米国の中小企業などが楽天市場に簡単に出店できるようになった。

野原彰人執行役員は27日、「提携で我々が扱えなかった商品をもてるようになるのは大きい」と話した。楽天によると、実際にショッピファイを通じて、米国の事業者が楽天市場に出店した実績も出ているという。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63124880X20C20A8TJ2000/