□銀行員たちは一体いくらもらっているのか
かつて公務員と同じく「銀行に入れば一生安泰」と言われていたエリートの代名詞「銀行員」。「銀行離れ」とは言われるものの新卒の学生たちからの人気も根強い。新型コロナウイルス感染拡大という未曽有の事態に直面し、痛手を負いつつ営業を続ける企業や資金繰りに窮する企業の番人として、銀行の社会的責任が改めて注目されている。

就職人気に波はあれ、銀行員の「高収入」は健在。金を循環させる彼らはどれほどの給料を手にしているのだろうか。今回は、銀行各社が発表している「有価証券報告書」(2019年3月期)で開示される従業員平均年収を比較していく。

※有価証券報告書の提出会社のうち従業員が100人未満の会社はランキングから除外
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平均年収が高い銀行ランキング

□トップは三井住友トラスト・HD。2位と年100万円以上の差
1位は三井住友トラスト・ホールディングスで、平均年収は1303万7000円。三井住友トラストは、通常の銀行業務(預金、貸付、為替など)に加え、委託者の財産を管理し、運用する信託業務も行っている。さらに相続関連、不動産関連など業務の幅は広く、一般的な銀行よりも富裕層の顧客を抱えているとされる。

3大メガバンクの中ではもっとも営業経費が少なく、利益率・収益力の高い2位の三井住友フィナンシャルグループ(1155万1000円)と併せて、給与面では三井住友系列が強い結果となった。ちなみに、同じ名を冠した前者三井住友トラスト・ホールディングス、三井住友銀行とは同じグループに所属こそしているものの、直接的な資本関係はなく互いに独立した存在となっている。

3位の三菱UFJフィナンシャル・グループ(1067万5000円)、4位のみずほフィナンシャルグループ(911万1000円)と3大メガバンクが続く。天下のメガバンクといえども、各社「コロナ恐慌」の影響に苦しんでいるという。進行期(2021年3月期)業績予想によると、それぞれ膨大な額の与信関連費用(主に、債権回収が不可能になった際の「償却額」や債権の劣化により積み増す「貸倒引当金繰入額」等を指す)を見込んでいる。三菱UFJフィナンシャル・グループおよび三井住友フィナンシャルグループはそれぞれ4500億円、みずほフィナンシャルグループは2000億円の与信関連費用を想定、各社2020年3月に対して21年は減益とならざるをえないという苦しい状況に立たされている。

みずほフィナンシャルグループは、メガバンクの中で最下位という結果になった。しかし、東証1部上場企業の約7割と取引を持ち、旧興銀のノウハウを生かしたコーポレートファイナンスに強みを持つ。2019年に統合以来、悲願であった新システムへの移行完了に成功したこともあり、この緊急事態も顧客の信頼を失うことなく耐え忍んでもらいたい。

>>2 へ続く(74行のランキング一覧画像含む)

2020/07/06 9:00
PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
https://president.jp/articles/-/36706