0001田杉山脈 ★
2020/06/09(火) 01:38:25.89ID:CAP_USERスーパーシティでは、AIやビッグデータを活用し、車の自動運転、ドローン配送、オンライン診療などの実現を目指す。こうした目標のひとつに含まれているのが、キャッシュレス決済の浸透である。
しかし、日本におけるキャッシュレス決済の実状は、スーパーシティで描かれる未来像からは程遠い。実際に日本のキャッシュレス比率は20%程度に留まっており、2025年までに40%を目指しているのが現状だ(経済産業省「キャッシュレス・ビジョン」(2018)より)。
これは、すでに50%を超えている中国や欧米諸国と比べ、世界でも突出して低い。それゆえに日本はスーパーシティどころか、「キャッシュレス後進国」と呼ばれている。
コロナウイルスの感染拡大が危惧されるなか、消毒されずに多くの人の手から手へ渡る現金は使用を避けたいものだ。それでも、日本ではいまもATMに長蛇の列をつくり、現金を下ろし、現金の利用から離れられない人が大勢いる。
なぜ日本はキャッシュレスの普及に出遅れたのか。どうすれば日本にキャッシュレスは定着できるのだろうか。マーケティングの視点から分析していきたい。
「優先順位」を見誤った日本
キャッシュレスが定着できている国の利用者の心理には、「現金よりも楽」という明快なメリットがある。まず安心できて、そして楽で、さらにお得だから当たり前に使われている。キャッシュレスの定着には、この「@安心、A楽、Bお得」という優先順位が絶対的に求められる。
それでは、日本の現状を見てみよう。日本の各種キャッシュレス・サービスは、リリース当初には「〇%オフ!」や「〇円キャッシュバック!」を強烈にアピールした。クーポン配布、ポイント還元、キャッシュバックの期間限定・店舗限定キャンペーンを打ち出し、まっさきに「Bお得」の競争に明け暮れた。
そして、サービスごとに利用できる店舗が細かく限定されていた。消費者はPayPayのキャンペーン期間にはPayPayを使い、LINE Payのキャンペーン期間にはLINE Payを使った。しかしその後、日常的に利用しようとしてみると、使えない店舗ばかりで不便さが勝ってしまった。
キャンペーンや店舗によってサービスをいくつも使い分けるのは面倒で、結局はいちばん楽な現金に戻ってしまう。日本のキャッシュレス・サービスは、「Bお得」の前に「A楽」が欠けていたのだ。
さらに致命的だったのは、キャッシュレス決済に不可欠な「@安全」を担保できなかった点だ。どのサービスもキャンペーン中にシステム障害で決済できなくなる事態を繰り返した。
とくに7pay(セブンペイ)のリ/Libraryリース、トラブル発生、サービス中止という一連の騒動が決定打になった。結果、もともとリスク回避を好む日本人の心理に、「キャッシュレス決済はまだまだ信用できないもの」という固定観念がつくられてしまった。
はじめに安全が確保されてこそ、利用者はキャッシュレスに前向きな心理を抱けるようになる。安全性に疑いがあれば、一気にリスクを避ける動きに傾いてしまう。日本にキャッシュレス決済が浸透できていない原因は、この優先順位が崩れたところにあるのだ。
「安心」ばかり追い求めてしまう日本
以下ソース
https://toyokeizai.net/articles/-/354402