財務省が5日発表した5月上中旬の貿易統計(速報)は、輸出が前年同期比26.2%減の2兆3085億円となった。下げ幅は4月上中旬の22.4%から拡大した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、主要な輸出品目である自動車の減産が続いたことなどが要因とみられる。

自動車は主要市場の中国では景気刺激策もあって需要が回復傾向にあるが、感染拡大が続く他のアジア地域や欧米向けの輸出は厳しい情勢が続く。メーカーの減産が長期化すれば、輸出も当面停滞することになる。

輸入は20.9%減の3兆3436億円だった。緊急事態宣言を受けて外出自粛が広がり、経済活動が停滞している。

輸出から輸入を引いた貿易収支は1兆350億円の赤字(前年同期は1兆1028億円の赤字)だった。

2020/6/5 10:34
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60010310V00C20A6EAF000/