【ニューヨーク=中山修志】米事務機器大手ゼロックスは6日、人工呼吸器の主要部品の生産を始めると発表した。呼吸器に必要な気道内圧を測定する装置をニューヨーク州の同社施設で量産し、カリフォルニア州の呼吸器メーカーに供給する。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う人工呼吸器の不足に対応し、数カ月で100万台の呼吸器の生産をめざす。

ニューヨーク州北部のゼロックスの施設に生産設備を導入し、プラスチック製の測定器を生産する。カリフォルニア州の専門メーカー、ボートラン・メディカル・テクノロジーはゼロックスから部品供給を受けて呼吸器の完成品を組み立てる。

生産する呼吸器は集中治療室(ICU)の重症患者の治療には使えないが、一般病室での治療や患者の搬送時に利用できる。4月中に4万台を生産し、6月までに生産ペースを月間15万〜20万台に引き上げる。数カ月で100万台の呼吸器を生産する計画。専門メーカー以外が加わる取り組みとしては最大規模となる。

自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーターも医療機器メーカーと組んで今月から人工呼吸器の生産を始める計画だ。

2020/4/7 3:21
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57746970X00C20A4000000/