ヤフーは3日、新型コロナウイルス対策のため、利用者データの分析結果を政府に提供すると発表した。厚生労働省など政府からの協力要請に応じる方針で、週明けにも協定を結ぶ。提供するデータは、個人が特定できないような集団の傾向を示す分析内容に限定し、感染者など利用者の位置情報は提供しない。

ヤフーはウェブサイトやスマートフォン向けのアプリなどのサービスを通じ、利用者の検索履歴やサイトの閲覧履歴、購買情報、位置情報など、多様なデータを保有している。分析に使うデータの種類や方法は検討中だが、「保有データをそのまま渡すことはない」(広報室)としている。

政府への提供を始める前に、サービスを通じて利用者に詳しい内容を公表し、意向を確認するという。利用者本人が希望すれば、データ利用を拒否できる仕組みも取り入れるとみられる。

厚労省や総務省、経済産業省などは3月末、米グーグルやヤフーなどのIT(情報技術)大手や携帯電話会社に対し、感染拡大防止やクラスター(感染者集団)の発生防止を目的にデータの提供を要請していた。
2020/4/3 13:51
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57617950T00C20A4X30000/