ローソンは30日、2011年から9年間にわたり、取引先と共謀して4億3千万円を私的に流用したとして、IT部門を担当する50代の男性社員を懲戒解雇にした。近く元社員と取引先の50代男性を刑事告訴する。

ローソンによると、元社員は業務委託料を水増しし、予備費の名目で取引先に蓄えさせ、飲食費などに使っていたとみられる。事実関係を認めているという。

今年2月、請求書の金額が不自然との内部通報で発覚し、社外の弁護士らが調査していた。取引先は千葉県にあり、システム関連の業務を2004年から委託していた。元社員はIT部門が長く、この委託を1人で担当していた。

ローソンは「今回の事案を厳粛に受け止め、再発防止と信頼回復に取り組む」とコメントした。元社員らに損害賠償も求めていくという。

再発防止策として、契約条件を再点検するほか、同一業務を継続して担わないよう社内規定を見直す。20年2月期の業績への影響は軽微としている。〔共同〕
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