0001田杉山脈 ★
2019/07/01(月) 21:03:19.80ID:CAP_USER近著『知的生産術』で生産性を高める働き方を説いた出口治明氏と、同じく近著『日本人の勝算』で日本が再び「一流先進国」に返り咲く方法を明らかにしたデービッド・アトキンソン氏。2人の対談が2019年6月に実現した。その模様をお届けする。
なぜ日本人は、ここまで「のんき」なのか
出口治明(以下、出口):アトキンソンさんが以前書かれた「日本人の議論は『のんき』すぎてお話にならない」という記事を読ませていただきました。そこで述べられているとおり、日本が置かれている状況は非常に厳しいのに、それを理解している人が少なすぎます。僕もまったく同感です。
平成の30年間のデータを見ると、日本がいかに危機的な状況にあるかは一目瞭然です。
GDPの世界シェアを購買力平価で計算してみると、約9%から4.1%に減少。IMDの国際競争力は1位から30位に陥落。平成元年には時価総額の世界トップ企業20社のうち、14社が日本企業だったのに、今はゼロです。これで危機感を持たないほうがおかしいと思います。
ただ、僕もアトキンソンさんがご著書で常に述べておられるとおり、日本人の実力はこんなものではないと信じているので、なんとか奮起してほしいと考えています。
日本人がこんなにものんきになってしまったのは、高度経済成長の成功体験が大きすぎたことにあるのではないかと私は考えていますが、アトキンソンさんはどうですか。
デービッド・アトキンソン(以下、アトキンソン):いちばんの原因は、日本人が「分析をしない」ことにあると思います。
たしかに高度経済成長期、日本のGDPは世界の9%弱まで飛躍的に伸びました。それは事実です。
しかしそのとき、「日本ってスゴイ!」と喜ぶだけで、何が成長の要因だったかキチンと検証しませんでした。さらには「日本人は手先が器用だから」とか、「勤勉に働くから」とか、「技術力がある」からなど、直接関係のないことを成長要因としてこじつけてしまい、真実が見えなくなってしまったのです。
出口:データで検証してこなかったのですね。
アトキンソン:そうです。私が卒業したオックスフォード大学に、リチャード・ドーキンスという生物学の先生がいます。私は彼の講義を聴講したことがあるのですが、面白いことを言っていました。
彼によると、人間の脳は、アフリカの大草原に暮らしていたときとあまり変わらないのだそうです。
どういうことかと言うと、草原で暮らしていた当時の人類は、丈の高い草の中で何かの音が聞こえたら、反射的に逃げます。なぜなら、「あの音は何だ!?」と考えたり、エビデンスやデータを取って調べ始めたりすると、ライオンに襲われて食われてしまうからです。条件反射で逃げるという行動が進化したのです。
そのためデータを取ったり、エビデンスを確認したりしてロジカルに考えることが、人間のDNAの中には組み込まれていないのだそうです。
ドーキンス教授流に言うと、「高度成長した=日本人すごい」「技術力があるから日本経済は復活する」「ものづくりで大丈夫」と直感的に決めつけてエビデンスやロジックを求めない頭の使い方は、こういう野生時代から進歩していない、と言えます。
以下ソース
https://toyokeizai.net/articles/amp/288272