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三菱スペースジェットが新展開、あえてボーイングの「虎の尾」を踏む理由
2019.7.4
6月16日の午後7時、フランスはパリのエッフェル塔。地上からエレベーターで一つ階を昇った所にあるラウンジ「THE GUSTAVE EIFFEL ROOM」では、
翌日のパリ航空ショーを前に、とある盛大なレセプションが開かれていた。「三菱リージョナルジェット(MRJ)」
の“リニューアル式典”ともいうべきレセプションだ。招かれたのは顧客となる海外エアライン関係者をはじめ、三菱商事、三井物産などの出資企業や、
川崎重工業やSUBARUといった取引先の幹部である。
「相当なお金をかけたんじゃないですかね」(出席者)。レセプションは、「いい製品を造ることばかりに一生懸命な会社」(航空機産業を所管する経済産業省幹部)
であるはずの三菱重工には似つかわしくないほど、ど派手なものだった。会場の中央には、思わせぶりに枯れ山水が設えられていた。砂が除かれる演出の後に姿を現したのが
枯れ山水をイメージした真っ赤な尾翼の新デザインだった。
事前に情報がリークされてしまったが、MRJから心機一転、「三菱スペースジェットファミリー」へ改称することも、当初はこの場で華々しく発表する予定だったとされる。