サイバーエージェント子会社でインターネットテレビを手掛けるアベマTV(東京・渋谷)は27日、ドワンゴと番組配信で業務提携すると発表した。4月1日から、ドワンゴが運営する動画サービス「niconico(ニコニコ)」でアベマTVの一部の番組を配信する。ニコニコの利用者を取り込み、広告収入の増加を狙う。

ネットテレビ「アベマTV」の公式チャンネルをニコニコ内に開設し、オリジナル番組を中心に配信する。トーク番組やドラマのほか、プロマージャンリーグ「Mリーグ」の試合や将棋の対局などの放送を予定する。視聴者は番組を見ながらコメントを書き込める。利用料はかからない。

アベマTVの社長も兼務するサイバーエージェントの藤田晋社長は「ニコニコを入り口にアベマTVを見始める人も今後出てくる」と期待する。番組の配信先を広げることで広告収入の増加を狙う。ドワンゴの夏野剛社長は「ニコニコで見られる番組が増える。それが結果的にプレミアム会員にもつながる」と語る。ドワンゴはニコニコの課金収入が伸びず、不振が続いている。アベマTVとの提携によりニコニコの利用者減に歯止めをかけたい考えだ。

アベマTVは現在サイバーエージェントが最も力を入れている事業。毎年200億円ほどの赤字を出しながら、コンテンツの拡充に向けて投資を続けている。アベマTVは今後、ニコニコ内で配信する番組を増やす。藤田社長は「今回の提携を多角的に発展させていきたい」としている。
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