5日の東京株式市場で、サンバイオ株の売買は5営業日ぶりに成立した。午前10時すぎに1月29日の終値に比べ8割安い2440円で始値を付けたあと売り買いが交錯している。株価は2401円まで下落する場面があった。

  同社は1月29日、再生細胞医薬SB623の治験で「主要項目を達成できなかった」と発表。慢性期外傷脳損傷以外の開発計画を見直すことも明らかにし、翌30日から日中の売買が成立せず、4日連続でストップ安水準での比例配分となっていた。売り注文が買い注文を大きく上回り売買が成立しない状況が続いたことを受け、東証は2月2日から同社株売買の制限値幅を広げて対応していた。

  サンバイオのSB623にかかる開発速報を受けて、複数のアナリストからは厳しい見方が相次いだ。SMBC日興証券の中沢安弘アナリストはメモで、「同試験の成功確率も高まったとの観測で株価は急騰しただけにネガティブサプライズ」としていた。みずほ証券の野村広之進アナリストもメモで、「仮に現時点で業績予想モデルから単純に日米の慢性期脳梗塞に関連する収入、支出を除いた場合には、目標株価は1500円前後と試算される」としていた。

  一方、同社と共同でSB623を開発していた大日本住友の株価も1月30日にはストップ安で取引を終えた。

2019年2月5日 10:07 JST 更新日時 2019年2月5日 10:48 JST
Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-02-05/PMFHRY6JTSED01